研究課題/領域番号 |
18591187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
杉田 完爾 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (60138055)
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研究分担者 |
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
合井 久美子 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (70324192)
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キーワード | FLT3 / FLT3リガンド / 11q23転座 / ALL |
研究概要 |
1.FL刺激による11q23転座型ALL細胞の休眠メカニズムの解明 (1)Flow cytometer法を用いた細胞回転の検討: 11q23転座型白血病細胞株にFLT3リガンド(FL,20ng/ml)を添加すると、S期の細胞割合が低下し、Go/G1期の細胞割合が有意に増加した。FL刺激によって、Go/G1停止が誘導されることが明らかとなった。 (2)Western blot法を用いた細胞回転関連分子の発現変化、シグナル伝達分子の活性化状態の検討: 11q23転座型白血病細胞株にFLを添加して2日間培養すると、サイクリン依存性キナーゼ阻害分子であるp27の著明な発現上昇が誘導された。他の分子の発現には変化が認められなかった。FLはp27の発現増強を介してGo/G1停止を誘導すると考えられた。 2.FL刺激による11q23転座型ALL細胞の薬剤抵抗性獲得の検討 (1)培養系にFLを添加するシステムを用いた検討: 11q23転座型白血病細胞株にFLを添加して2日間培養すると、daunorubicinあるいはcytosine arabinosideに対する薬剤耐性が誘導された。 (2)FL産生骨髄ストローマ細胞株との共培養システムを用いた検討: FL産生骨髄ストローマ細胞株上で11q23転座型細胞株を培養すると、daunorubicinあるいはcytosine arabinosideに対する薬剤耐性が誘導された。この耐性は、FL中和抗体の存在化で部分的に解除された。骨髄ストローマ細胞はFLT3/FLシステムを介して、11q23転座型ALL細胞を休眠期に導入し、薬剤耐性を誘導していると考えられた。
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