研究課題/領域番号 |
18591189
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
香美 祥二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00224337)
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研究分担者 |
漆原 真樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50403689)
六反 一仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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キーワード | ILK / インテグリン / ボウマン嚢上皮細胞 / 活性酸素 / NAD(P)Hオキシダーゼ / 半月体細胞 / 糸球体硬化 / 腎不全 |
研究概要 |
腎不全に至る全ての小児腎疾患には、メサンギウム細胞(MC)増殖や細胞外基質(ECM)の構築異常、ポドサイト(Pod)の糸球体基底膜からの剥離(脱接着)、ボウマン嚢上皮細胞(PEC)増殖による半月体形成等の細胞生物学的特徴がある。腎炎の進行を左右する細胞動態を制御しているインテグリンシグナル伝達経路における活性酸素種(ROS)の役割を明らかにするために、培養細胞や腎炎モデルを用いて検討した。 1)ラット進行性腎炎モデル(WKYマスギ腎炎)におけるNAD(P)Hオキシダーゼ活性の検討 WKYマスギ腎炎の糸球体をDHA染色を用いてROS活性を検討したところ、半月体形成部位に強いROS産生が認められ、それはNAD(P)Hオキシダーゼ構成蛋白(Nox2)の発現推移や腎炎におけるメサンギウムECMのリモデリング異常やPEC増殖などの細胞反応の発生時期とも一致していた。 2)NAD(P)Hオキシダーゼ由来ROSのインテグリン依存性のMC増殖、ECMリモデリング、半月体形成における役割の細胞生物学的検討 腎炎のECMリモデリング、半月体形成部位には、ILK、β1インテグリン、Nox2が共に強く発現しており、ARBなどのROS除去剤にて治療すると、病変は改善しILK、β1インテグリン、Nox2の発現も低下した。ROSシグナルとインテグリンシグナルを培養MC、培養PECを用いて検討したところ、一部はILKシグナルを共通経路として用いており、fbcal adhesionにはNox2は異なるNox familyの発現の存在が示唆された。以上よりILKとROSは腎炎の進行を左右する重要な分子でありインテグリンシグナルにNAD(P)Hオキシダーゼにより産生されたROSが影響していることが示唆された。今後、ROSシグナルの特異的阻害剤を用いて、腎炎進行に関与する特異経路の解明と薬剤による腎炎進展阻止法の可能性を検討する予定である。
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