研究概要 |
1)スーパー抗原遺伝子(SAg)の検討:平成18年4月〜平成20年3月までに、当院に川崎病診断基準を満たして入院した患児60名、および、この期間中に発熱で受診した患児36名、ワクチン接種時に両親から同意の得られた健常児26名から便を収集し、全DNAを抽出した。この全DNA中のSAg遺伝子を検討した。陽性コントロールは独立行政法人理化学研究所・バイオリソースセンター微生物材料開発室から承認を得て、Streptococcus pyogenes (JCM no 5674), Staphylococcus aureus (JCM no 2151)を購入し、これらの菌株が持っているSag遺伝子(SPEA, SPEC, SPEG, SPEJ, TSST-1など)を陽性コントロールとした。 2)上記の検討の結果、川崎病患児の便中には、検討した5つのSAg遺伝子の内少なくとも一つ以上のSAg遺伝子が、発熱患児および健常小児に比較して有意に高頻度に検出されることが判明した。 このことから、川崎病発症に複数のSAgが関与する可能性が強く示唆された。
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