研究課題/領域番号 |
18591203
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大塚 宜一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90338335)
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研究分担者 |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
永田 智 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70266055)
藤井 徹 順天堂大学, 医学部, 助教 (30420855)
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キーワード | Probiotics / 新生児 / microarray / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 / GATA-3 / STAT-4 / IL-23R |
研究概要 |
Probioticsは、炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患の予防や治療に利用されるようになっているが、その新生児期における役割や分子生物学的な検討は十分にはなされていない。平成20年度は、Probioticsの新生児期における役割を検討する目的で、出生直後の仔ラットにProbioticsであるB.breveを投与した際の消化管粘膜における炎症性シグナル分子の発現を検討した。出生直後から2週間、継続的にB.breveを投与したものと投与していないものの腸管粘膜よりmRNAを抽出しcDNAを作成後microarrayを用い、その遺伝子発現を網羅的に検討した。その結果、matrix metallopeptidase10、prostaglandin-endoperoxide synthase2、aquapor in3、phospholipase A2、lipopolysaccharide binding protein、lipoprotein lipaseなどのシグナル伝達分子の発現が抑制されることを確認し、Probioticsが持つ抗炎症効果との関連が示唆された。今後は、それぞれのシグナルの発現を出生後2週間してから投与したものと比較し、その効果的な投与方法を確認する予定である。また、小児炎症性腸疾患を対象とした臨床検討では、Th1およびTh2サイトカインを中心としたシグナル伝達分子の発現をreal-time PCRを用い検討した。急性期にTh2サイトカインが著増すること、特に小児潰瘍性大腸炎においてはIL-4のシグナル分子であるGATA-3およびTh1サイトカインのシグナル分子であるSTAT-4の発現が増強していることが確認された。一方、小児クローン病においてはGATA-3、T-bet、STAT-4、STAT-3などの発現には有意差が認められなかったものの、IL-23Rの発現の有意な低下を確認しており、特に小児クローン病でのTh17細胞の関与が示唆された。
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