研究課題/領域番号 |
18591220
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
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研究分担者 |
横山 俊史 神戸大学, 大学院・農学研究科, 助教 (10380156)
竹内 義喜 香川大学, 医学部, 教授 (20116619)
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
伊藤 進 香川大学, 医学部, 教授 (80145052)
松本 由樹 香川大学, 医学部, 助教 (90335844)
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キーワード | 母仔分離 / ストレス / 脳の脆弱性基盤 / 神経栄養因子 / 発達 / エネルギー代謝 / Prohibitin (PHB) / 脂肪 |
研究概要 |
本研究は、生後早期の母親による養育環境が、子供の脳の発達に与える影響について、検索解析し神経科学的分子基盤を探ることを目的とし、本年度は、母仔分離された実験動物のエネルギー代謝に関連した知見を得ることを目的とした。 離乳前に母仔分離された動物(Maternal Deprivation、MD)における、後腹膜白色脂肪、精巣周囲白色脂肪さらに肩甲骨周囲褐色の重量は、30日齢時では、MD群の後腹膜白色脂肪の体重比は、対照群に比べて有意に減少していた。とこうが、脂肪組織中のProhibitin(PHB)のWestern Blotting解析では、MD群におけるPBH蛋白発現量が約3倍増加していた。PHBはミトコンドリア蛋白の1つであり、細胞生存・増殖survival/proloferationと細胞死cell deathに深く関わっているとされており、PHB発現が増加すると細胞は前者(増殖)に傾くとされている。この事実は、将来の脂肪細胞の増加、体重増加につながるものと解釈される。一方、内分泌環境解析のため、corticosteroneの測定に加え、各種サイトカイン(IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-10、GM-CSF、IFN-γ、TNF-αの測定を行った。MD群においては、ストレスにより増加が惹起されたと思われるIL-6の有意な増加を認めたが、他のサイトカインに明らかな変化を認めなかった。サイトカイの解析については例数を増やし解析を継続中である。更に、呼吸商(RQ)の測定を行ったが、MD群と対照群において体重の有意差が見られたにも拘らず、RQには反映されない結果となった。体重差を反映する新たなパラメーターを検討する必要がある。
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