研究課題/領域番号 |
18591220
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
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研究分担者 |
横山 俊史 神戸大学, 農学研究科, 助教 (10380156)
竹内 義喜 香川大学, 医学部, 教授 (20116619)
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
伊藤 進 香川大学, 医学部, 教授 (80145052)
松本 由樹 香川大学, 医学部, 助教 (90335844)
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キーワード | 母仔分離ストレス / 脳発達 / 脆弱性基盤 / 神経栄養因子 / ミエリン関連たんぱく質 / OMGp / 神経回路網形成 / エピジェネテック |
研究概要 |
本研究は、生後早期の母仔分離ストレスが、脳の発達に与える影響についての発達神経科学的に探ることを目的とする。我々はこれまで、母仔分離(MD)動物では、白色脂肪組織中のprohibitin(PHB)の発現レベルの増加を肥満の原因の1つと推測した。また、正常から逸脱した神経栄養因子の発現変化が海馬領域で見られることを明らかにしてきた。 平成21年度は、同様に母仔分離動物の、神経栄養因子リガンドとレセプターのmRNA並びに蛋白質の発現動態の変化をreal-time RT-PCRとWestern Blotting解析を行った。神経栄養因子のうち、NGF nerve growth factor, BDNF brain-derived neurotrophic factorとこれらリガンドに対するレセプターTrkA,TrkBの発現レベルを解析した。MD動物では、BDNF/TrKBの発現量がmRNAと蛋白質の両方のレベルで増加していたが、NGF/TrkA系に有意な変化は見られなかった。一方、ミエリン構成蛋白質Oligodendrocyte myelin glycoprotein OMgpが有意に増加していた。この結果は、神経防御因子としての神経栄養因子は、有害刺激(母仔分離ストレス)に対して特異的反応を呈することを示している。さらに、OMgpのデーターは、母仔分離ストレスは、神経線維の髄鞘形成に影響を及ぼしていることを示唆している。現在、神経突起、棘にいかなる変化を惹起しているのか形態学的に(Golg染色、電子顕微鏡観察)解析中である。 神経発達時期に於けるこのような成長環境の正常から逸脱したダイナミックな変動が、CNSネットワークの形成障害を惹起するものと予想できる。
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