研究課題/領域番号 |
18591229
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
芝木 晃彦 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (40291231)
|
研究分担者 |
阿部 理一郎 北海道大学, 病院, 講師 (60344511)
秋山 真志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60222551)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | 皮膚病理学 / 免疫 / 治療 / 臨床 / 細胞・組織 / Tissue |
研究概要 |
VII型コラーゲンは表皮基底膜の重要な構成分子であり、VII型コラーゲンに対して自己抗体が生じると自己免疫性疾患である後天性表皮水疱症(EBA)が発症すると考えられている。しかし、現在まで再現性の高いEBAモデルマウスが確立されていないため、発症病理メカニズムについての詳細な検討はなされていない。本研究の目的は、EBAモデルマウスを作成し、病理メカニズムの解析を行うことである。 まず、表皮基底膜にヒトVII型コラーゲン分子のみを発現する(マウスVII型コラーゲン分子を欠損する)COLVIIヒト化マウスに、リコンビナントマウスVII型コラーゲンによる免疫を行ったが、安定した抗マウス7型コラーゲン抗体の産生が認められなかった。次に、C57BL/6マウスより植皮片を採皮し、COL7A1ヒト化マウスの背部へ植皮を行った。植皮の3週間後から間接蛍光抗体法にて抗マウスVII型コラーゲン抗体の発現が確認された。抗体のサブクラスはIgG1、IgG2cが主であった。IgG2bクラスの抗体も僅かに陽性であったが、IgG2aおよびIgG3クラスの抗体は認められなかった。 抗マウスVII型コラーゲン抗体産生を誘発したマウスより脾細胞を調整し、マウスVII型コラーゲンを発現するRAG2 KOマウスへ移植した。移植したRAG2 KOマウスで、移植後10日より抗マウスVII型コラーゲン抗体の産生が確認され、眼囲、口囲を主に紅斑、糜爛の形成が認められた。病理組織学的に、表皮下水疱と、表皮-真皮境界部、真皮上層への炎症細胞浸潤がみられた。直接蛍光抗体法では、表皮基底膜部にIgGとC3の沈着が確認された。本マウスモデルを用いてさらなる検討を行うことは、EBAを含めた自己免疫性皮膚疾患の発症とその抑制メカニズムの解明の糸口になる研究と考えられ、また、今後新たな治療法の開発へとつながることが期待される。
|