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2007 年度 実績報告書

腫瘍関連PI3Kの選択的遮断を基盤とする扁平上皮癌に対する分子標的治療法の創生

研究課題

研究課題/領域番号 18591231
研究機関秋田大学

研究代表者

真鍋 求  秋田大学, 医学部, 教授 (30138309)

研究分担者 成田 多恵  秋田大学, 医学部, 助教 (10301061)
津田 昌明  秋田大学, 医学部, 助教 (30333925)
キーワード癌抑制遺伝子 / 扁平上皮癌 / 分子標的治療
研究概要

PI3Kはその基質特異性からクラスI、II、IIIに分類される。クラスI PI3K (IA、IB)は細胞内のPI(3,4,5)P3産生の主要経路であり、触媒サブユニット(p100α、p100β、p100y、p100δ)と調節サブユニット(p85α、p85β、p55α、p55y、p50α)で構成されている。これらの各触媒サブユニットと調節サブユニット間の結合の優先的な組み合わせや、それに起因する酵素活性の相違、増殖、分化、生存、細胞運動なでへの関与、などに関しては未だ不明な点が多い。
そこで角化細胞におけるPI3Kの発癌過程における役割を解析するため、18年度に作成したPI3Kのp85α、p110(α、δ、y)各サブユニット欠損マウスと表皮細胞特異的PTEN欠損マウスのダブルノックアウトマウスを用いて、本年度はPTEN欠損マウスの表現形の回復と発癌抑制に関して検討した。
その結果、(1)角化細胞特異的PTENホモ欠損マウスは、p110αヘテロ欠損によって、表現形と早期致死は改善されたが、papillomaの自然発症は改善されなかった、(2)角化細胞特異的PTENヘテロ欠損マウスは、p110αヘテロ、p110yホモ欠損によって有棘細胞癌は自然発症しなくなった、などのPI3Kサブユニット欠損による有棘細胞癌発癌の抑制効果は、細胞内のPTENの量依存性に発揮されることを示唆する所見が得られた。
上記の研究成果は、角化細胞の発癌に関与しているPI3Kサブユニットを特定したのみならず、腫瘍関連PI3Kサブユニットの活性を抑制すると発癌が阻止される可能性があることを示すものであり、標的分子の選択的遮断を基盤とする新しい治療法を模索する端緒となった。今後の研究の発展により、皮膚扁平上皮癌の化学予防法を創生する上での画期的な成果が得られるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] PI3Kサブユニットの選択的遮断はマウス皮膚腫瘍の自然発症を抑制する。2008

    • 著者名/発表者名
      山川岳洋・成田多恵・佐々木雄彦・鈴木聡・真鍋求
    • 学会等名
      日本皮膚科学会東北六県合同地方会学術大会第341回例会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20080202-03
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] PI3K欠損による表皮細胞特異的PTEN欠損マウスの表現形の回復と発癌抑制2007

    • 著者名/発表者名
      成田多恵・山川岳洋・佐々木雄彦・真鍋求・鈴木聡
    • 学会等名
      第21回表皮細胞研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2007-12-01
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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