• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

siRNAを用いたサイトカイン制御による円形脱毛症治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591233
研究機関京都大学

研究代表者

中村 元信  京都大学, 医学研究科, 助教 (30303837)

キーワード円形脱毛症 / T-box21 / Th1 / C3H / HeJマウス / siRNA3
研究概要

円形脱毛症の新規の治療法を模索するために、円形脱毛症の活動期の毛包周囲に浸潤している細胞の種類を免疫組織化学法によって検討したところ、CD4陽性CCR5陽性細胞がCD4陽性CCR4陽性細胞より有意に多く、Th1型の反応がTh2型の反応より優位であると考えられた。続いて円形脱毛症モデルマウスC3H/HeJマウスを用いた実験を行った。このマウスは加齢とともに脱毛斑を自然発症し、毛包周囲にCD4陽性リンパ球、CD8陽性リンパ球が浸潤し、局所免疫療法が奏効し、ヒトの円形脱毛症に似た症状を呈す。このマウスの脱毛斑にインターロイキン4を毎日3週間局所注射すると、コントロールと比較し、脱毛の改善率は高かった。さらに抗インターフェロンガンマ中和抗体をC3H/HeJマウスの脱毛部に1週間毎日局所注射すると、ラットIgGを注射したコントロール群と比較し、脱毛斑の改善率が高かった。次にT-box21という遺伝子に着目した。T-box21蛋白はTh1リンパ球への分化に非常に重要な役割を果たす転写因子である。このT-box21遺伝子を欠損したマウスではTh1リンパ球への分化が抑制され、Th1型の免疫反応が減弱している。さらに、T-box21蛋白はTh1リンパ球への分化に重要なインターフェロンガンマのプロモーターに結合し、インターフェロンガンマ遺伝子の発現を増強していることが報告されている。2日に一度C3H/HeJマウスにこのT-bet蛋白の発現を抑制するT-box21アンチセンスオリゴヌクレオチドを7回注射したところ、コントロール群と比較し、脱毛斑の改善率が高かった。さらにT-box21遺伝子siRNAをゼラチンを用いて徐放化させると、マウスの脱毛斑が改善した。これらの結果はヒトの円形脱毛症の新規の治療法につながる可能性があると考えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The localization of label-retaining cells in mouse nails.2008

    • 著者名/発表者名
      M. Nakamura, O. Ishikawa
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology 128

      ページ: 728-730

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Controlled delivery of T-box21 small interfering RNA ameliorates autoimmune alopecia (alopecia areata) in a CeH/HeJ mouse model.2008

    • 著者名/発表者名
      M. Nakamura, J. Jo. Y. Tabata. O. Ishikawa
    • 雑誌名

      American Journal of Pathology 172

      ページ: 650-658

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A patient with alopecia, nail dystrophy, paslmoplantar hyperkeratosis, hearing difficulty and micrognathia without CJB2 or GJB6 mutations: a new ectodermal dysplasia?2007

    • 著者名/発表者名
      M. Nakamura, O. Ishikawa
    • 雑誌名

      British Journal of Dermatology 156

      ページ: 777-7791

    • 査読あり
  • [学会発表] A case of Waardenburg syndrome type I with a newly found missense mutation in the PAX3 gene2007

    • 著者名/発表者名
      M. Nakamura, O. Ishikawa, Y. Miyachi
    • 学会等名
      BADV2007
    • 発表場所
      リガ(ラトビア)
    • 年月日
      2007-09-09
  • [図書] 皮膚科カラーアトラス臨床像と組織像2007

    • 著者名/発表者名
      中村 元信
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      中外医学社

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi