研究概要 |
平成17年度までの当該研究において、伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus, MCV)のDNAポリメラーゼ遺伝子(MC039L)を蛋白発現プラスミドpGEM-3Zに挿入し、T7ポリメラーゼを用いて試験管内で大量のmRNAを合成した。続いてウサギ網状赤血球のlysateを用い、mRNAをもとに蛋白を発現させ、authenticな蛋白の発現を電気泳動によって確認した。平成18年度には、発現させたDNAポリメラーゼによるDNA伸長反応を、^<32>Pを用いて定量化することに成功した。また、牛痘ウイルス(cowpox virus, CPV)および単純性ヘルペスウイルス(herpes simplex virus, HSV)-1のDNAポリメラーゼの機能についても同様の方法で確認を行った。このようにして確立したDNAポリメラーゼのアッセイ系を用い、予定どおり核酸類似物質(既存の抗ウイルス剤も含む)による抑制効果の有無についてスクリーニングを行った。今回は対照実験として、HSV-1のDNAポリメラーゼ活性がacyclovir, vidarabine, cidofovirの三リン酸化物で抑制されることを確認できた。来年度以降は、核酸類似物質の濃度によって抑制効果がどのように変動するのか、またMCVやCPVのDNAポリメラーゼに対する抑制効果はどの程度みられるかについて、さらに検討を行う予定である。
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