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2007 年度 実績報告書

担癌マウスにおける免疫抑制状態の解析とその回避による腫瘍ワクチン増強効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18591241
研究機関山梨大学

研究代表者

柴垣 直孝  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (40262662)

キーワードワクチン / 抗原特異的免疫反応 / 抗原提示 / 細胞内タンパク導入
研究概要

陽性に帯電するペプチド群(cationic polypeptide)を含有するタンパク質は、陰性に帯電する細胞膜に素早く結合した後endocytosis, macropinocytosisとして高効率に細胞内に導入される。この特性を利用し、我々は細胞内導入高率の最も高いとされるnonaarginine(R9)を融合させたタンパク抗原を用いた腫瘍ワクチン療法の基礎研究を行ってきた。ワクチン療法の原理は、腫瘍細胞に免疫原性の高い抗原が発現しておりMHC classI上に提示されることと、宿主にその抗原に対する強力なTc1, Th1の誘導より成り立っている。我々は、R9含有OVAタンパクを皮内接種すると、強力なOVA特異的Tc1, Th1, IgG2抗体が誘導されると共に、接種皮膚組織のMHC classI上にOVAエピトープが発現され強力な炎症性免疫反応が誘導されることを明らかにした。そこでOVA発現腫瘍細胞をマウスに接種し、担癌状態の腫瘍内にR9-OVAを接種すると完全拒絶を含む著明な抗腫瘍効果が確認された。この効果はCD8陽性細胞除去、免疫不全マウスでは認められないことより、細胞毒性による効果ではなく、抗原特異的免疫反応による効果であることが示唆された。また、このin vivoでの抗腫瘍効果は樹状細胞を用いた免疫療法より優れていた。その理由としては、腫瘍局所に認められる免疫抑制状態が、強力な炎症作用により回避されたか、免疫抑制を誘導させている細胞が破壊されたことによる可能性が示唆された。また、この免疫療法は局所での強力な炎症反応以外の大きな副作用が認められないことより、ヒトにおける癌、感染症に対するより強力なワクチン療法として、臨床応用が期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dendritic cells transduced with autoantigen FCRLA induce cytotoxic lymphocytes and vaccinate against murine B-cell lymphoma.2007

    • 著者名/発表者名
      T. Inozume, N. Shibagaki, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology 127

      ページ: 2818-2822

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] A Novel Vaccination System Utilizing Protein-transduction Domain2007

    • 著者名/発表者名
      N. Shibagaki
    • 学会等名
      World Congress of Dermatology
    • 発表場所
      Buenos Aires(Argentine)
    • 年月日
      2007-10-02
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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