研究概要 |
アトピー性皮膚炎に対する治療の開発のため,ドミナントネガティブ変異型IL-4の有効性をDNAワクチンとして投与し検討した。ハプテン連続塗布によるTh2型慢性皮膚炎マウスモデルを作成し,野生型IL-4,IL-4受容体拮抗変異型IL-4(smIL-4)およびIL-4/IL-13両受容体拮抗変異型IL-4(dmIL-4)のDNAを腹腔内へ投与し,その効果を検討した。IL-4DNA投与では皮膚炎症の抑制は認められなかったが,dmIL-4DNA投与により,皮膚炎の著明な抑制,皮膚での好酸球,マスト細胞など炎症細胞浸潤の抑制,血清IgE,ヒスタミンの抑制,Th2サイトカインの抑制とIFN-γ産生の増加などの著しい効果を確認した。smIL-4DNAの効果は部分的であった。以上のようにIL-4/IL-13の両受容体に拮抗する変異型IL-4DNAのワクチンとしての投与がTh2型のアトピー性皮膚炎モデルに対して有効な治療法として有効性が期待できる結果が得られた。この成果を第19回日本アレルギー学会(2007.6)にて報告した。これらの成果をまとめ,論文を現在投稿中である。また,dmIL-4のさらに有効な投与法の検討を引き続き行っている。
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