研究概要 |
正常マウス骨髄由来樹状細胞において、RT-PCR、ウエスタンブロット法により、クローディン-1の発現を確認した。加えて、正常マウス表皮においても、表皮内樹状細胞であるランゲルハンス細胞に、クローディン-1が発現していることを蛍光抗体法で確認した。一方、我々はヒト正常表皮細胞のタイトジャンクションのバリアー機能の詳細について報告した(Exp Dermatol,16,324-30,2007)。そして、マウス骨髄由来樹状細胞と正常ヒト表皮細胞を共培養したところ、この二つの細胞の接着部位にクローディン-1が濃縮することを蛍光抗体法で確認した。しかし、生後直後のクローディン-1ノックアウトマウスにおいては、コントロールに比べて数は少ないものの、蛍光抗体法発より、表皮内発classII抗原陽性のランゲルハンス細胞を認めた。また、ヌードマウス移植クローディン-1ノックアウト皮膚発おいては、クローディン-1ノックアウト表皮の中に、クローディン-1陽性のヌードマウス由来のランゲルハンス細胞を蛍光抗体法発より明瞭に認めた。そして、LPSで正常マウス骨髄由来樹状細胞を刺激したところ、培養開始8日後においては、正常マウス骨髄由来樹状細胞のクローディン-1の発現は減弱していた(RT-PCR)。以上より、ランゲルハンス細胞の表皮内局在に関しては、表皮細胞-樹状細胞のクローディン-1の相互作用は必須ではないものの、抗原刺激発よりクローディン-1の発現が減弱し、樹状細胞の細胞接着能力が低下し、遊走しやすくなるといった機構が推測された。
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