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2006 年度 実績報告書

尋常性乾癬の病態におけるケミカルメディエーターの役割とその治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18591259
研究種目

基盤研究(C)

研究機関帝京大学

研究代表者

神田 奈緒子  帝京大学, 医学部, 助教授 (50260493)

研究分担者 渡辺 晋一  帝京大学, 医学部, 教授 (90114719)
大西 誉光  帝京大学, 医学部, 講師 (80233211)
多田 弥生  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00334409)
キーワード尋常性乾癬 / prolactin / ケラチノサイト / CXCL9 / CXCL10 / CXCL11
研究概要

Prolactinは脳下垂体より分泌されるホルモンであるが、皮膚にも存在し、細胞性・液性免疫を修飾するケミカルメディエーターとして機能し、尋常性乾癬の病態を調節する可能性がある。尋常性乾癬患者の表皮ケラチノサイトでは、type 1T細胞の浸潤を促すケモカインCXCL9,CXCL10,CXCL11の産生が元進している。CXCL9,CXCL10,CXCL11の産生には転写因子NF-κB, STAT1,IRF-1が関与する。本研究では、ヒトケラチノサイトのCXCL9,CXCL10,CXCL11の産生に対するprolactinの作用を検討した。ケラチノサイトにおいて、prolactinは,IFN-γに誘導されるCXCL9,CXCL10,CXCL11の蛋白放出とmRNA発現およびIRF-1 mRNA発現を促進し、NF-κB, STAT1,IRF-1の転写活性を増強した。JAK, p38 MAPK, MEKの阻害剤は、CXCL9,CXCL10,CXCL11,IRF-1の産生と、NF一κB, STAT1,IRF-1の活性化を抑制した。ProlactinはERK, JAK2のリン酸化を、IFN-γはp38MAPK, JAK1,JAK2のリン酸化を誘導した。Prolactinは、MEK依存性に、IκBαのリン酸化,NF-κB p65のセリンリン酸化を誘導した。ProlactinおよびIFN-γはJAK依存性に、STAT1のチロシンリン酸化を誘導した。ProlactinあるいはIFN-γは、それぞれMEKあるいはp38 MAPK依存性に、STAT1のセリンリン酸化を誘導した。以上の結果から、Prolactinはケラチノサイトにおいて、IFN-γと協調し、JAK2/STAT1およびMEK/ERKシグナルを誘導してNF-κB, STAT1,IRF-1を活性化し、CXCL9,CXCL10,CXCL11の産生を促進することが示唆される。Prolactinはこれらのケモカインを介して尋常性乾癬病変部へのtype 1T細胞の浸潤を誘導すると考えられ、尋常性乾癬の治療の標的として重要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Prolactin Enhances Interferon-γ-Induced Production of CXCL9,CXCL10,and CXCL11 in Human Keratinocytes.

    • 著者名/発表者名
      Kanda, N., Watanabe, S
    • 雑誌名

      Endocrinology (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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