研究概要 |
(1) 目的 : 尋常性乾癬は、皮膚の自己免疫性炎症性角化症である。本疾患の発症には、表皮ケラチノサイトの過剰増殖, 分化異常、病変部の皮膚に浸潤するT細胞のTh1, Th17サイトカインの過剰産生、マクロファージ, 樹状細胞の炎症性サイトカインの過剰産生、表皮ケラチノサイトのケモカイン, サイトカイン, サイトケラチンの産生異常、好中球の表皮内浸潤や真皮の血管, 知覚神経の過剰増殖等、種々の異常な生体反応が関与している。Histamine, prostaglandin E2, leukotriene B4, substance P, calcitonin gene-related peptide等のケミカルメディエーターは、尋常性乾癬の皮膚病変で検出されており、その病態を調節している可能性がある。本研究では、尋常性乾癬の病態に関わる種々の生体反応を、各種ケミカルメディエーターが促進あるいは抑制するかを検討し、またその作用機序を解明する。さらに、これらケミカルメディエーターのreceptor anlagonistあるいはagonistが尋常性乾癬の治療に有用であるか否かを検討する。 (2) 内容 : (1)ケラチノサイト、炎症細胞における各種ケミカルメディエーターのレセプター発現(2)ケラチノサイトの増殖アポトーシス(3)ケラチノサイトの自己成長因子産生(4)ケラチノサイトの炎症性・抗炎症性サイトカイン, ケモカイン, 血管・神経増殖因子産生に対するケミカルメディエーターの作用を検討する
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