研究課題/領域番号 |
18591260
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
照井 正 日本大学, 医学部, 教授 (30172109)
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研究分担者 |
羅 智靖 日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
原 弘之 日本大学, 医学部, 准教授 (70228625)
奥山 隆平 東北大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80292332)
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キーワード | 皮膚 / 好酸球性炎症 / 肥満細胞 / 動物モデル |
研究概要 |
目的〕これまで、IgE(-/-)マウスやMC欠損W/Wvマウスを用いた実験で、接触過敏反応(CH)応答の減弱が報告され、肥満細胞(MC)がCHに関与していることが分かっている。W/Wvマウス耳に同系MCを移植し、CH、ひいては繰り返しハプテン塗布による皮膚好酸球性炎症モデルにMCがどのように関与しているかを明らかにしたい。 方法〕マウス骨髄由来培養MC(BMMC)をin vitroで調整し、8週齢W/Wvマウスの耳介に移植した。移植の際、高親和性IgE受容体β鎖のimmunoreceptor tyrosine-based activation motifs(ITAM)のチロシン残基をフェニルアラニンに置換したBMMC(FFF)と置換していないBMMC(YYY)を用いた。移植1週間後あるいは4週間後に、腹部に2%oxazoloneを塗布して感作し、1週間後に1%oxazoloneを耳介に塗布しCHを誘発した。それぞれの群でCH耳腫脹を経時的に測定し後、耳組織を採取した。採種した耳の半分を組織検査に、残りはmRNA発現検査に供した。同様にして感作したCHモデルマウスに、さらに2日おきに計10回の繰り返しハプテン塗布好酸球性炎症モデルを作成し、同様に耳腫脹を測定した。 結果〕(1)移植1週後にはなかったが、4週間目で、トルイジンブルー染色陽性顆粒を有するMCの生着が確認された。(2)耳介腫脹は刺激後18時間にピークに達した。移植4週間後と1週間後に感作した群間で耳介浮腫の程度に差はなかった。(3)BMMC(YYY)群で有意な耳介浮腫の増強が観察されたが、BMMC(FFF)では耳介浮腫の増強が認められなかった。(4)腫脹耳でもサイトカイン検索の結果、BMMC(YYY)群ではTNFαの上昇がみられたが、BMMC(FFF)ではTNFα産生が抑制されていた。(5)繰り返しハプテンを外用する慢性炎症モデルでは、BMMC(FFF)群で耳腫脹が抑制されていた。 今後〕(1)浸潤細胞の構成と(2)各種ケモカイン、サイトカインmRNA発現レベルの経時変化を観察する。
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