研究課題/領域番号 |
18591263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治鍼灸大学 |
研究代表者 |
榎原 智美 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (20203648)
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研究分担者 |
熊本 賢三 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (20141509)
松田 純子 東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教授 (60363149)
鈴木 邦彦 東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30384895)
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キーワード | 皮膚感覚神経 / 有髄神経線維 / 三叉神経系 / 脱髄 / 共焦点顕微鏡 / 三次元構造解析 / PGP9.5 / F4 / 80 |
研究概要 |
Twitcherマウスは、ガラクトシルセラミドの分解酵素の遺伝的欠損によって起る脱髄疾患、ヒトのクラベ病のモデルマウスである。髄鞘の代謝時に、末梢ではシュワン細胞の死滅を引き起こし、脱髄が進行し約5週齢で死亡する。サポシンAは、その酵素の活性化因子で、このノックアウトマウスは、遅発性に脱髄が生じ、約20週で死亡する。本研究は、これらマウスの、三叉神経根を含む中脳の一部から、三叉神経節、眼窩下神経を経て顔面鼻部洞毛部皮膚に至る一連の組織を、生後、寿命週まで、経時的に採取し、共焦点レーザー顕微鏡と電顕的観察を組み合わせて神経組織の形態解析を行い、末梢感覚神経系の脱髄の状況を形態的に明らかにすることを目的とする。本年度は、twitcherマウスにおける一連の光顕的観察と一部電顕観察を行い、サポシンAノックアウトマウスの電顕試料を揃えるまでに時間を費やした。免疫染色には、主としてPGP9.5、S100、F4/80の1次抗体を用いた。Twitcherマウスの有髄線維束は、2週目では、髄鞘と髄鞘の間の面積が拡大し、線維がやや細く見えるほかは、正常動物と神経分布に大差がなかった。その後6週目までに、病変は徐々に進行し、有髄神経線維横断像の多形化、髄鞘の被薄化または断片化、シュワン細胞の肥大化、F4/80陽性細胞の増加と変形、細胞浸潤が顕著となり、概して、皮下や眼窩下神経におけるそれら所見は、三叉神経節内に先行していた。髄鞘を持たない神経終末は、4週目以降に洞毛の槍型終末とメルケル終末で数の減少と変形、脱落が認められたが、皮膚表層に分布する細い線維群や、皮筋に分布する運動終板、血管に纏絡する細い神経線維群は、分布密度や形態の変化は顕著ではなかった。本解析結果は、チェコの組織形態学国際学会と、日本解剖学会総会で発表した。これに電顕結果を合わせ、論文を執筆投稿予定。
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