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2007 年度 実績報告書

遺伝性脱髄疾患マウスモデルにおける皮膚感覚神経の形態変化

研究課題

研究課題/領域番号 18591263
研究機関明治鍼灸大学

研究代表者

榎原 智美  明治鍼灸大学, 医学教育研究センター, 講師 (20203648)

研究分担者 熊本 賢三  明治鍼灸大学, 医学教育研究センター, 教授 (20141509)
松田 純子  東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (60363149)
鈴木 邦彦  東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30384895)
キーワード皮膚感覚 / 有髄神経線維 / 三叉神経 / 脱髄 / 共焦点顕微鏡 / 三次元構造解析 / 電子顕微鏡 / PGP9.5
研究概要

皮膚では、C線維を除く感覚終末および表情筋の運動終板は、有髄線維に由来する。本研究で用いた2種類の脱髄モデルマウスは、ガラクトシルセラミダーゼの遺伝的欠損を持つ。ガラクトシルセラミドは、ミエリンの主要な構成脂質であり、モデル動物は、生後、全身性に脱髄が進行し、短寿命を示す。末梢神経では、従来、神経線維束の病理はよく追究されているが、作用部位である神経終末に注目した知見は極めて乏しい。
本研究では、twitcherマウス(Twi)とサポシンAノックアウトマウス(SAKO)の橋から三叉神経節を経て鼻部洞毛部皮膚に至る一連の組織を、寿命週まで経時的に採取し、共焦点顕微鏡と透過型電顕を用いて神経要素を観察し、形態解析した。
Twiでは、1週目の眼窩下神経で異常所見が観察され、これ以後、脱髄を主とする病理所見は、概して末梢側が中枢側に先行した。一方、皮膚神経終末の形態は、末期までよく保たれるものが多く、髄鞘の被薄化、泡沫化や、グロボイド様細胞の浸潤など、脱髄像が甚だしい有髄線維の先端でも、ほぼ正常な神経終末が認められた。また、神経東上のF4/80陽性樹状細胞の肥厚と浸潤は、3週目までは、皮下深層より末梢側では少なかった。なお、4週目以降、一部の洞毛では、棍棒状終末の先端部の膨隆、槍型終末やメルケル終末の一部の変形と脱落などが、電顕的にも確認された。運動終板は、光顕的には大きな形態変化は認められなかった。末期のSAKOでは、終末で形態を維持するものも多かったが、変性度の大きいものもあった。
本研究は、脱髄神経疾患における、脱髄の進行状況とともに皮膚神経の形態変化に着目し、中枢から末梢終末までを傭瞰的に検索した。中枢側の有髄線維に脱髄が生じ、信号の伝導遅延が予測されるにもかかわらず、受容部である神経終末は、形態を維持することが示唆された。多くの病理学的所見のみならず、神経形態維持機構の一端を明らかにできたことは、成果が大きい。
(論文投稿中。)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 遺伝性脱髄疾患モデルマウスにおける鼻部皮膚感覚神経終末の形態変化2007

    • 著者名/発表者名
      榎原 智美・熊本 賢三・鈴木 邦彦
    • 学会等名
      日本組織細胞化学会総会・日本臨床分子形態学会総会合同学術集会
    • 発表場所
      甲府市総合市民会館
    • 年月日
      2007-09-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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