研究課題/領域番号 |
18591268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
傳田 健三 北海道大学, 大学院医学研究科, 助教授 (10227548)
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研究分担者 |
北川 信樹 北海道大学, 北海道大学病院, 助手 (80312362)
賀古 勇輝 北海道大学, 北海道大学病院, 医員 (70374444)
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キーワード | 児童期 / 青年期 / うつ病 / 大うつ病性障害 / 疫学調査 / MINI精神疾患簡易構造化面接 |
研究概要 |
児童・青年期の気分障害の疫学研究としては、千歳市の小・中学校に依頼し、内科検診のときに並行して精神医学的面接を行い、うつ病の時点有病率を調査することになった。内科検診と並行して1学校につき3〜4人の精神科医が直接児童・生徒を面接する。千歳市教育委員会、千歳市学校長会、千歳市PTA、千歳市医師会の協力を得て、小・中学校10校の協力を得られることになった。約900人の小・中学生を面接する。各関係諸機関との手続きが終了し、平成19年4月から9月までに行う予定となった。評価尺度としては、MINI-Kid(MINI精神疾患簡易構造化面接法、小児版)を使用する。 児童・青年期の大うつ病性障害患者の転帰調査を行った。平成13年1月から平成17年12月までの5年間に北海道大学病院精神科神経科を初診した大うつ病性障害患者71例の転帰調査を行った。初診時年齢は15.2±1.6歳(mean±SD)、追跡期間は461±374日である。併存障害comorbidityは23例(32.4%)に認められ、内訳は摂食障害5例、強迫性障害4例、社会不安障害4例、行為障害3例、反抗挑戦性障害4例、特定不能の破壊的行動障害4例、アスペルガー障害2例であった。抗うつ薬治療中に躁転した症例は11.2%であり、1例が経過中に統合失調症へ診断が変更となった。また、抗うつ薬治療中に、何らかの情動変化(いわゆるactivation syndrome)をきたした症例は71例中18例(25.4%)であった。そのうち、真の自殺行動あるいは自殺念慮に相当するものは2例であり、その状態は、ジッタリネス症候群1例、抗うつ薬投与直後の急激な躁状態・混合状態が1例であった。転帰調査の結果は、寛解が18.3%、改善が36.6%、やや改善が18.3%、不変が12.7%、悪化が1.4%であった。
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