• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

D-セリン脳内代謝の調節による統合失調症の新規治療薬開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18591274
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

山本 直樹  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (70312296)

研究分担者 柏 淳  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (10301227)
車地 暁生  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (00251504)
キーワード統合失調症 / D-セリン / 抗精神病薬 / グルタミン酸 / NMDA
研究概要

本研究では、統合失調症のなかでもとくにドーパミン受容体阻害作用をもった定型および非定型抗精神病薬によっても十分な治療効果が得られないいわゆる難治症例に対する新たな治療戦略を提供することを目指している。シナプス間隙における内在性D-セリン濃度の制御およびD-セリンの生合成・代謝にかかわる細胞分子機構を明らかにすることによって、統合失調症の新規治療薬をスクリーニングするための標的分子候補の同定を試みている。今年度は主としてD-セリンの細胞外濃度制御因子dsm-1の機能解析およびグリア細胞選択的細胞毒をもちいたin vivoにおけるラット大脳新皮質細胞外D-セリン濃度調節の解析を詳細におこない、グリア細胞におけるD-セリンの調節機構をあきらかにした。現在、さらにD-セリンの代謝にかかわるグリア系各細胞の特性を検討している。また、統合失調症症例におけるdsm-1遺伝子のr塩基多型(SNPs)について検討を開始した。統合失調症の感受性遺伝子解析のみならず治療反応性予測への応用を試みている。統合失調症に対する治療薬候補としてNMDA受容体アロステリック部位アゴニストがここ数年注目されるようになり、欧米においてD-セリンの他、グリシン、部分アゴニストであるD-サイクロセリンの小規模臨床試験がおこなわれ、従来の抗精神病薬に抵抗性症状に対して効果が得られたという報告が多施設からなされている。ただしアゴニストの脳内移行性の問題ゆえに経口投与量の評価等がまだ定まっておらず、長期大量投与による生体への影響を危惧する考えがある。本研究は、このような臨床研究の課題を克服するための、脳内在性D-セリンの作用調節薬の開発を目指した基盤的研究として位置づけられる。このような統合失調症新規治療薬開発の現状や統合失調症のあらたな分子神経薬理学的病因論に関して総説および著書として発表した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 経過中にせん妄を呈した血管性うつ病の1症例2007

    • 著者名/発表者名
      横溝美緒, 他
    • 雑誌名

      精神科 8

      ページ: 165-170

  • [雑誌論文] Selective serotonin reuptake inhibitors, fluoxetine and paroxetine, attenuate the expression of the established behavioral sensitization induced by methamphetamine2007

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y, et al.
    • 雑誌名

      Neuropsychopharmacol 32

      ページ: 658-664

  • [雑誌論文] 統合失調症と脳内D-セリン代謝 : 新たな治療薬開発をめざして.2007

    • 著者名/発表者名
      山本直樹
    • 雑誌名

      神経化学 46

      ページ: 29-38

  • [雑誌論文] Inhibition of D-serine accumulation in the Xenopus oocyte by expression of the rat ortholog of human 3'-hosphoadenosine 5'-phophosulfate transporter gene isolated from the neocrtex as D-serine modulator-1.2006

    • 著者名/発表者名
      Shimazu D, et al.
    • 雑誌名

      J Neurochem 96

      ページ: 30-42

  • [雑誌論文] Evidence for involvement of glial cell activity in the control of extracellular D-serine contents in the rat brain2006

    • 著者名/発表者名
      Kanematsu S, et al.
    • 雑誌名

      J Neural Transm 113

      ページ: 1717-1721

  • [雑誌論文] 違法ドラッグと依存性薬物による精神障害の分子病態2006

    • 著者名/発表者名
      山本直樹, 他
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 217

      ページ: 1147-1151

  • [雑誌論文] セロトニン作動性薬物によるメタンフェタミン逆耐性の減弱-統合失調症の再発予防へ向けて-2006

    • 著者名/発表者名
      柏 淳, 他
    • 雑誌名

      精神薬療研究年報 38

      ページ: 11-16

  • [雑誌論文] 修正型電気けいれん療法(m-ECT)が著効した両心室ペースメーカーを植込まれたうつ病の1症例;特集 電気けいれん療法(ECT)の治療経験-症例を中心に-2006

    • 著者名/発表者名
      光定博生, 他
    • 雑誌名

      臨床精神医学 35

      ページ: 1207-1212

  • [雑誌論文] 新規抗精神病薬-急性期に対する使い方;特集「統合失調症-診断と治療の今日」 治療薬解説2006

    • 著者名/発表者名
      熱田英範, 他
    • 雑誌名

      Current Therapy 24

      ページ: 640-644

  • [図書] 統合失調症の治療2007

    • 著者名/発表者名
      山本直樹 他
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 統合失調症の薬物治療アルゴリズム(精神科薬物療法研究会編)2006

    • 著者名/発表者名
      濱村貴史, 他
    • 総ページ数
      95-122(28)
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] 身体表現性障害を経過中にBipolar II Disorderを呈し、炭酸リチウム投与によって寛解に至った1症例. (Bipolar Disorder研究会編.) Bipolar Disorder 42006

    • 著者名/発表者名
      車地暁生
    • 総ページ数
      25-30(6)
    • 出版者
      アルタ出版

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi