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2007 年度 実績報告書

重症うつ病の電気痙攣治療による脳機能画像変化と認知機能に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18591278
研究機関山梨大学

研究代表者

小林 薫  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90256933)

研究分担者 本橋 伸高  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30166342)
玉置 寿男  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (60345709)
梅田 貴子  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (80345719)
井上 修  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50159969)
キーワード電気けいれん療法 / 局所脳血流測定 / ECT / Iomazenil / SPECT / うつ病
研究概要

本年度は前年度に引き続き、重症うつ病患者のECT前後のSPECTによる脳機能測定を続行した。本研究のポイントであるECT施行後6から12ヶ月の時点における測定も、本年度中に一部ではあるが実施できた。本年度までに実施された臨床データからは
(1)重症うつ病患者の、脳全般領域で著明な局所脳血流低下傾向
(2)神経受容体(GABA-Bz受容体)の結合活性は血流に比べ比較的保たれていること
(3)ECT治療直後は血流の改善が見られるものの、まだ正常値より低いこと
(4)神経受容体(GABA-Bz受容体)の結合活性にあまり変化がないこと
などが確認されつつある。また例数が少ないので、傾向としてではあるが、ECT終了後の臨床経過が順調な例では、終了後6〜12ヶ月でさらに血流の改善が見られ、ほぼ正常値に近づくことも観察されている。今後症例の増加に伴い、以上の知見に統計学的検定を加える予定である。脳各部位の差異については、現段階では後頭葉にくらべ、前頭葉や側頭葉の変化が目立っている。
前年度計画変更を加えた、ECTの臨床に対応した小動物による基礎実験に関しては、本年度前半で麻酔や電気刺激条件などの実験条件の確立の為の予備実験を終了した。後半ではラジオアイソトープを用いた急性実験を実施している。その結果、電気けいれん後の急性変化では、脳血流の低下が生じていることが確認された。しかし、糖代謝には大きな変化は見られなかった。一方、グリア活性についての検討では、新規グリア代謝トレーサである^<14>C-PAを用い、電気けいれん刺激の影響を検討した。その結果、脳の一部の領域でグリア代謝が低下することが判明した。GABA-Bz受容体活性の変化や、慢性電気けいれん刺激の影響については次年度で確認する予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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