研究概要 |
年齢に比して不相応に過剰な注意散漫、衝動性、多動を示すADHD(注意欠陥多動性障害)は学齢期児童の3〜7%に出現し、平均遺伝率は双生児研究から76%(Faraone,2005)と推定されているが、候補遺伝子はいまだ絞りきれていない。しかし、ADHDの治療にmethylpheni dateが60〜80%の有効性をもつことから、ドパミン系の異常が関与していると考えられ、ドパミン分解酵素であるCOMT (Catechol-O-Methyltransferase)、ドパミン受容体DRD4,DRD5、ドパミントランスポーターDATの遺伝子多型を解析し、衝動性およびCloningerのパーソナリティ理論に基づく新奇性追及との関連を検証した。 ADHD対象者15名とその13家族(2名は対象者のみ)の計49名の血液サンプルからCOMT多型、DRD4、DRD5、DAT1を解析した。衝動性は日本語訳BIS-II(Barratt Impulsiveness Scale)を、新奇性追求は日本語版TPQ (Tridimensional Personality Questionaire)を自己記入してもらい採点した。
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