研究課題
基盤研究(C)
1.サンプル収集:統合失調症患者717名、対象者1008名のDNAサンプルを収集した。末梢血を株化保存できたサンプル数は統合失調症患者254名、対象者117名。統合失調症患者のうち代表的抗精神病薬であるリスペリドンの治療反応性を評価したサンプルは122名。2.発現解析:株化したBリンパ球からRNAを抽出・cDNA合成を行った後チップ解析をすすめた。株化中のどの時点でRNA発現量が安定するかについてまず予備実験を行い株化確立直後のサンプルを用いて標準化されたサンプル群として行った。3.診断法の開発:最終的に30:30サンプルの発現解析をおこない、二次解析を行う遺伝子群を選別した。選出された候補遺伝子群をブースト化ファジー分類器(BFCS)で検討した結果、特定の3遺伝子の正答率が83%と最も高く精度の良いモデルを構築できた。再現性を確認するためサンプルをランダムに2群に分け一致率を確認した結果、この3遺伝子は傾向が異なることが判明した。つまり新たにサンプルを増やした場合異なる結果を示す可能性が示唆され、このサンプル数でのBFCSを用いた判別は困難と結論した。そこでS2N'でのtop候補遺伝子、IGLを再び検討してみたところ、判別には適さなかったがマイナーグループで発現が大きく異なっている傾向が確認された。判別においては、case群、control群での平均の差を重視するため、妥当性ある判別は困難であったが、S2N'を用いたtopの遺伝子IGLは、マイナーなcaseサンプルでの発現変動が大きいものであり、真の傾向ならば、診断に応用可能である可能性が示唆された。末梢血のどの時点のデータが適当であるかは今後の検討が必要である。将来の臨床応用を展望した場合、どの時点での採血データからでも正確に予測できる遺伝子群を選出する必要がある。これらの遺伝子が選出されれば診断法としてはより安価なELIZA法を用いた蛋白発現なども考慮に入れていく必要があると考える。
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