(1)生体におけるcovered SENDAI stentの有用性の検討 【方法】Nitinol製の自己拡張型ステント:SENDAI stent(径5〜6mm、長さ20mm)を多孔性のSPU filmで被覆した。SPU filmの厚さは15μm、孔径は100μm、孔間隔は250μmとした。新生内膜肥厚抑制のため、SPU filmの外面に免疫抑制剤であるFK506を塗布した。雌ビーグル成犬(体重10〜12kg)の外腸骨動脈にFK506を塗布したcovered stent (n=6)、何も塗布しないcovered stent (n=6)およびbare stent (n=6)を留置した。4週間後に血管撮影し、外腸骨動脈を摘出し、内膜肥厚の程度、内皮化の有無を検討した。【結果】いずれも留置4週後の外腸骨動脈に有意狭窄や血栓閉塞は認めず、cover filmの内面には均一な内皮化を認めた。新生内膜肥厚の面積は(bare stent群)<(FK506を塗布したcovered stent群)<(何も塗布しないcovered stent群)の順て、各群間に有意差を認め、FK506塗布の効果が示唆された。 (2)末梢動脈瘤モデル作成法の検討 【方法】計8匹の雌ビーグル成犬(体重10〜12kg)を使用。外腸骨動脈に留置したダブルバルーンの閉鎖空間にエラスターゼ2mlを注入し、1時間放置した。1ケ月後に血管造影と組織学的に動脈瘤の有無を検討した。 【結果】以下のことが明らかとなった。 (1)ダブルバルーンの閉鎖空間にエラスターゼ2ml注入1ケ月後に外腸骨動脈に動脈瘤が生じた。 (2)動脈瘤を生じるには、エラスターゼ注入前にバルーン拡張が必要であった。 (3)径8mmバルーンカテーテルで6気圧までの拡張まで外腸骨動脈は破裂しなかった。 (4)Cutting BalloonやFogartyカテーテルは動脈破裂や過剰な血栓を生じたため、動脈瘤作成に適さなかった。
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