研究概要 |
16列マルチスライスCTで検出器厚0.5mmを用いて胆膵領域の多相造影CTを施行した画像の造影効果を評価して、胆膵領域を早期動脈相(動脈が十分に造影されているが、門脈系はほとんど造影されていない時相)において撮影可能であることを示した。このvolume dataから0.5mm厚(実効半値幅0.75mm)0.4mm間隔の画像を再構成し、この再構成画像から作成される1,2mm-1.3mm厚の高分解能の多断面冠状断画像を用いることにより膵周囲の小動脈を90%以上で描出できることを示した。この描出能はシングルスライスCTや4列マルチスライスCTで報告されている成績を上回っている。 上記の早期動脈相の同一患者のデータから50%オーバーラップさせた0.75mm.1mm,2mm厚画像を再構成して、これらの画像からvolume-render法により三次元のCT arteriography作成した。これらのCT arteriographyを4名の放射線科医が評価して、0.75mm厚画像を用いることにより最も良好なCT arteriography像が得られ、特に、膵小動脈において画質の差が大きいことを明らかにした。 4or16列マルチスライスCTで検出器厚0.5 or 1mmを用いて多相造影CTを施行し切除された膵臓のIntraductal papillary mucinous neoplasmのCT所見と病理学的悪性度を対比して、CTにより腺腫、境界病変+上皮内癌、浸潤癌の鑑別が約85%の症例で可能であることを明らかにした。
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