研究課題
基盤研究(C)
3Tesla-MRIは高いS/N比を得る事ができる反面、画質の劣化を伴う多くの問題点も存在する。本年度の研究ではその問題点を明らかにしていった。特に心臓領域の検査においては、磁化率効果による静磁場の不均一(B0 inhomogeneity)、RF浸透力(RF penetration)およびRF干渉(RF interference)によるRF磁場の不均一(B1 inhomogeneity)、specific absorption rate(SAR)の増加などが主な画質劣化の要因となりうることが確認された。1.5Tesla-MRIにおける一般的な心筋のシネ撮像ではTrueFISP(SSFP)シークエンスが利用されている。しかし、TrueFISPはその特性上、静磁場の不均一に敏感で、磁場の乱れはBandingアーチファクトを誘発する。3Tesla-MRIでは1.5Tesla-MRIよりも磁化率効果が大きいため、静磁場の不均一性が増加することが確認された。特に心臓領域は肺野の空気層に囲まれているため、静磁場の不均一がより顕著となり、画像上に強いBandingアーチファクトが現れうる。この現象は、高精度なシミング機構などにより改善する事は可能であるが、静磁場の不均一を完全に排除する事はきわめて困難である。そこで、周波数オフセット法や位相シフト法を用いて、関心ROI内からBandingアーチファクトを移動させる方法を試みている。これにより1.5Tesla-MRIと遜色無い心筋Cine画像を得る事が可能となってきている。
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