研究課題/領域番号 |
18591351
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉浦 敬 九州大学, 大学病院, 助手 (40322747)
|
研究分担者 |
熊澤 誠志 九州大学, 医学部, 助手 (50363354)
野口 智幸 九州大学, 大学病院, 助手 (40380448)
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 医員 (30444855)
本田 浩 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (90145433)
有村 秀孝 九州大学, 医学部, 助教授 (20287353)
|
キーワード | 脳 / MRI / 神経回路 / 拡散テンソル / 白質路 / 大脳皮質 |
研究概要 |
拡散テンソル画像に基づく独自の手法を用いて、アルツハイマー病患者の大脳皮質の障害の分布を推定し、3次元的に表示した。21名のアルツハイマー病患者と7人の健常者についてこの解析を行い、作成された3Dマップを視覚的に評価した。その結果、皮質障害は側頭葉と頭頂葉を中心に分布し、中心溝付近は障害されにくいことが分かった。この結果は、病理学的に知られている皮質障害の空間分布とよく一致し、この解析手法の妥当性を支持するものであった。 拡散テンソルトラクトグラフィーの新しいアルゴリズムを考案した。従来の方法では、線維束の分岐や交差に対応することができず、白質路の全体像を描出することができなかった。我々が開発したアルゴリズムでは、各イメージボクセルでの拡散の3次元確立密度分布に基づいて、directional diffusion function(DDF)を定義し、DDFの隣接ボクセル間の重なりからボクセル間のconnectivityを計算する。白質路の推定では、指定された2つの領域を結ぶ最もconnectivityの高いpathを最終的な経路として採用した。この手法を用いて、健常者と脳腫瘍患者で錐体路の推定を行った。その結果、健常者と脳腫瘍患者の両方で、分岐して中心前回に広い範囲に連続する錐体路が描出できた。従来法と比較して、錐体路の全体像の描出に近づいた。脳腫瘍患者では、腫瘍と錐体路の3次元的な位置関係の評価を行うことができた。
|