研究概要 |
当院で造影ダイナミックMRIを施行後、手術が施行され、5年以上経過観察できた乳癌患者(T1 or T2NOMO)のMR所見をretrospectiveに解析した。術前に化学療法が施行された症例は除外した。 BI-RADS-MRIに従って、2名の放射線科医の合議制により、辺縁性状(smooth, irregular, spiculated)、内部造影パターン(homogeneous, heterogeneous, dark internal septa, enhancing internal septa rim enhancement, central enhancement), time-intensity-curve pattern(persistent, plateau, washout)を分類し、この他にも造影ダイナミックスタデイでのピーク相、enhancement ratio(ピーク相と造影前の信号強度比)、皮膚浸潤の有無、大胸筋浸潤の有無も解析した。 これらMR所見と病理組織学的因子(ER, PR, HER)を予測変数とし、局所再発の有無、後発リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無、5年後生存の有無を従属変数として多変量解析を行うが、現在までにデータベースがほぼ完成したところであり、平成19年度中に学会発表の予定である。 この他、拡散強調MRIによって得られた腫瘍のADC値が予後予測因子となり得るか否かについては、腋窩リンパ節転移の有無などと対比して検討して症例を蓄積中である。
|