研究課題
基盤研究(C)
乳癌の予後に直接関係する因子として腋窩リンパ節転移の検出能・診断能を、拡散強調像およびリンパ節のADC値を用いて解析した。その結果、腋窩リンパ節転移陽性例では転移陰性例よりも有意にADC値が高く、また、拡散強調MRIでリンパ節の指摘が困難な症例ではほぼ腋窩リンパ節転移陰性であった。またサイズ(6mm以上、5mm未満)との組み合わせにより更に診断能が向上した。更に乳癌原発巣のADC値を解析し、組織学的悪性度やホルモンレセプター(ER, PgR)の状態、HER2の状態との相関を検討した。その結果、腋窩リンパ節陽性例は陰性例に比較してADC値が有意に高かった。またER陽性例は陰性例に比較して、ADC値が優位に低かった。一方、核異型度やPgR、HER2の状態(陽性か陰性)は、ADC値との相関は見られなかった。これらの結果より、拡散強調MRIによる原発巣および腋窩リンパ節のADC値の解析は、腋窩リンパ節転移やERの状態の予測に有用で、治療方針の決定にも影響を与える情報が得られる可能性が示唆された。また、造影ダイナミックMRIと拡散強調MRIの組み合わせによる良悪性鑑別診断能についても単変量・多変量解析を行い、ADC値は辺縁性状(スピキュラや不整)、内部造影効果(均一、不均一、リムを伴う)と共に独立した鑑別因子であった。
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