研究課題/領域番号 |
18591361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
牛嶋 陽 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20275209)
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研究分担者 |
奥山 智緒 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40347464)
西村 恒彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70237733)
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キーワード | 骨転移 / 病的骨折 / マルチスライスCT / PET / CT |
研究概要 |
症例数の関係で主として乳癌患者の定期的検査例ないしは疼痛の存在により骨転移が疑われた症例のマルチスライスCTを概観し、骨転移巣と診断されたものを対象とした。通常の検査においてスライス厚1mmにて撮像しており、骨転移巣のisotropic dataを得ることができた。再構成された三次元画像より転移性骨腫瘍の範囲を正確に求めたが、CTで範囲が不明な例でMRIなどの他の画像が参照できない例は対象外とした。数例の検討の中で溶骨性骨転移や造骨性骨転移がみられた。溶骨性骨転移で通常、骨折の危険性が高いが、造骨性骨転移においても骨折の危険性はあるために同じく対象とした。 対象骨の骨梁構造について正常部分のデータをもとに等方性を仮定して、有限要素解析を行う予定であったが、得られた臨床データは、骨解析モデルとして利用される高解像度のマイクロCTでの報告と比較するとコントラストの点で骨梁の連続性について検討を行うのには不十分であった。また、骨粗鬆症などの加齢性変化による正常部分の骨状態のバラツキが多くみられ、骨折のリスクは骨転移のみではないことが類推された。そこで、最近骨粗鬆症で重要視されるようになった骨質を総合的に検討する方法を模索することにした。溶骨性の骨転移巣では正常骨梁の消失を認めることが多いが、純粋例ばかりではなく骨硬化部も混在する例がある。造骨性では正常の骨梁が保たれながら、骨梁間に不均一な骨形成が認められる例が存在する。このような例では正常部分の骨質の悪化により骨折が発生する危険性も考慮されるため、総合的な骨質の検討が有用と思われた。
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