研究課題/領域番号 |
18591369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90247643)
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研究分担者 |
籏野 健太郎 国立長寿医療センター, 長寿脳科学研究部, 室長 (50228475)
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
伊藤 健吾 国立長寿医療センター, 長寿脳科学研究部, 部長 (70184653)
加藤 隆司 国立長寿医療センター, 長寿脳科学研究部, 室長 (60242864)
片田 和広 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00101684)
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キーワード | 画像診断学 / 放射線診断学 / 核医学 / アルツハイマー病 / 分子イメージング / ミクログリア / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体 / PET |
研究概要 |
今年度我々は、培養下で活性化した外来性株化ミクログリアをラット脳内に注入し、PETと末梢性ベンゾジアゼピン(PBR)製剤^<11>C-PK11195により、活性型ミクログリアを生体内で画像評価可能かどうか検討した。ミクログリアの状態は、PET測定後に免疫染色して解析した。線条体に外来性株化ミクログリアを認め、内在性ミクログリアの活性化はわずかのみ認めた側の線条体にPETでPBRへの集積増加を認めた。障害側と健常側の差は約20%程度とエタノール注入モデルよりは健側との差を認めたが、充分ではなかった。そのため、イタリアBari大学と共同開発し、マウスによる検討で^<11>C-PK11195よりも高い親和性を示したPBR製剤^<11>C-CB148について、一側線条体へのエタノール注入モデルによる脳内の内在性ミクログリアを活性化するラットモデルと動物PETで検討した。さらに、これらのPETリガンド開発の成果に基づきBari大学と共同開発した蛍光標識PBRリガンドであるCBF5を用いラット株化ミクログリア細胞の結合部位を蛍光顕微鏡下で観察した。エタノール注入モデルと^<11>C-CB148 PETによる評価では、障害側線条体に健常側と比べ10〜20%の増加を認め、約10%程度の差であった^<11>C-PK11195と比べ優位な集積増加は認められなかった。しかし、その集積は免疫組織学的な活性型のミクログリアの数と有意な正の相関を示した。蛍光標識PBRリガンドCBF5とラット株化ミクログリア細胞の蛍光顕微鏡下での観察では、LPS刺激により、刺激前と比べミトコンドリア表面への集積の増加が観察された。この所見により、脳内の休止型ミクログリアではミトコンドリアの内部に存在しているPBRが活性型になるとミトコンドリアの表面に移動(トランスロケーション)することにより、PBR製剤の結合が増加するという仮説が証明された。
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