研究課題/領域番号 |
18591372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
伊藤 浩 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (20360357)
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研究分担者 |
須原 哲也 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, グループリーダー (90216490)
生駒 洋子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (60339687)
高橋 英彦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (60415429)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 脳・神経 / 放射線 / PET / ドーパミン |
研究概要 |
中枢神経系におけるドーパミン作動性神経の神経伝達機能のPET(positron emission tomography)による正常データベースを構築するべく、健常男性志願者計37名を対象にL-[C-11]DOPA、[C-11]PE2I、[C-11]raclopride、[C-11]FLB457の4種類のトレーサーによるPET測定を行った。これらの測定データから、脳神経伝達物質生成能、シナプス前トランスポーター結合能、シナプス後レセプター結合能のドーパミン作動性神経各機能の生理学的パラメータ画像の計算を行い、フリーの画像処理ソフトウェアであるSPMを用いて生理学的パラメータ画像の解剖学的標準化を行った。また、全被験者で撮像したMRI画像からSPMを用いて灰白質、白質、脳脊髄液の各成分を抽出し、それぞれの成分の存在比率からドーパミン作動性神経各機能の部分容積効果補正も行った。これらの画像処理の後、ドーパミン作動性神経各機能の正常データベースを構築し、ドーパミン作動性神経機能の解剖学的な局在を考慮して作成した標準的な関心領域を用いて画像解析を行った。構築されたヒト生体における正常データベース上のドーパミン作動性神経各機能の解剖学的分布は、ヒト死後脳研究によるドーパミン作動性神経各機能の解剖学的分布とよく一致することが判明した。本データベースによりヒト生体におけるシナプス前・後の機能を同一座標軸上で比較することが可能となり、大脳辺縁系ではドーパミンD_2レセプターの分布密度とドーパミン生成能は比較的高いものの、大脳辺縁系を含む大脳皮質全体でドーパミントランスポーターの分布密度はきわめて低いことなど、シナプス前・後のドーパミン作動性神経各機能の定量値の差異が脳内局所ごとに明らかになった。また、本データベースの精神神経疾患の病態解析への応用も試み、これが可能であることが示唆された。
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