研究課題/領域番号 |
18591381
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
荒木 則雄 国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 研究員 (20362486)
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研究分担者 |
小林 孝之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 非常勤講師 (20396956)
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 講師 (10263089)
永田 靖 広島大学, 病院, 教授 (10228033)
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キーワード | 放射性微小球 / 内照射療法 / 肝腫瘍 / 動脈塞栓術 / ビーグル犬 |
研究概要 |
昨年度に引き続き日本白色家兎肝臓に注入に用いた微小球の分布を検討した。 イメージングによる分布の検討には、マイクロX線透視を用いた。検討中の酸化イットリウム微小球は、100%のY203で構成され、生体組織に比べX線吸収が高く、容易に観察可能であり、注入された微小球の組織内分布を確認した。その観察によれば、20-30μmの微小球1つ1つを確認可能であり、肝内動脈分布に合致した微小球の分布が予測可能と考えられた。 分有の最適化に向けて、10-15μmの小径微小球の日本白色家兎肝臓への注入実験も行い肝臓各葉への微小球分布率を検討した。その手法として、臓器より組織片を採取し、濃硝酸を用いて、7日間恒温震盪することで完全に溶解し、溶解放中に含まれるイットリウムをプラズマ分光計により定量して、組織内の微小球含有の有無を測定し、全組織片中にイットリウムを含む組織片数の割合を求め、注入による肝内各部位への分布の状態を評価した。以前検討した20-30μm径の微小球肝内分布率に比べ、肝内を5葉に分割し、右葉(55% : 26%)、右中葉(98% : 93%)、左中葉(95% : 94%)、左葉(98% : 84%)、尾状葉(80% : 76%)といずれも良好であった。小径微小球を用いても、肝以外の胃、十二指腸、肺臓、肺などへの逸脱に関しては、カテーテル先端からの逸脱と考えられる近接臓器へのわずかな逸脱以外、有意な増加は観察できなかった。比重に関しては、より小さな比重を有するセラミック製の放射性微小球の報告もあり、内部が空洞状の中空微小球の使用も検討していく。 これらの結果を元に微小球の最適な容量、サイズ、比重などを決定するために有用と考えられるため検討を続ける方針である。
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