研究概要 |
TL-シートは厚さ0.2mmと0.4mmの2種類を使用し研究用密封小線源Ir-192から9mm以内の範囲で線量分布測定を行い、radiochromic filmと比較した。その結果、線源のごく近傍では厚さ0.2mmのTL-シートで差9%以内となり良い一致が得られた。しかし、厚さ0.4mmのTL-シートでは線源から1mm以内で差が20%以上となり、線量分布勾配が急峻な場合、厚いTL-シートは精度が悪くなることが分かった。線源から4mm以上離れた領域では、厚さ0.4mmのTL-シートでradiochromic filmとの差は5%以内となり良い一致が得られた。 Pd-103(Model200)の場合、TL-シートから得られたanisotropy functionはMonte Carloと比較したところ、5mmで10%,10mmで7.5%以内で一致した。Pd-103、I-125(Model6711)およびAu-198(ゴールド、グレイン)近傍の線量分布を比較した。線源から10mm以内では、線量分布勾配はPd-103、I-125,Au-198の順で大きくなったが、10mm以上離れると急激に減少した。線量に関して、線源から2.5mmのところでPd-103はI-125に対して最大1.3倍,Au-198に対して1.8倍大きくなり、線量分布の観点からPd-103はより理想的な線源と考えられる。 また、オペレーティンシステムにLinuxを用いた従来の逐次プログラムを、OPENMPIにより並列処理化を行った。その結果、CPUのコア数と比例関係に近い処理速度が得られ、システムの性能の向上が期待できる。
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