研究課題/領域番号 |
18591405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 藤夫 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (20375497)
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研究分担者 |
大根田 修 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (30311872)
榊原 謙 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (60192085)
兵藤 一行 大学共同利用機構法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
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キーワード | 再生医学 / 血管新生 / 虚血肢 / 放射光血管造影 |
研究概要 |
1.マウス下肢虚血モデルの確立 左大腿動脈を結紮切離することによりマウス下肢虚血モデルを作成した。結紮直後に下肢皮膚色調の変化とレーザードップラーによる血流量の低下を確認することにより下肢虚血モデルを確立した。 2.放射光血管造影 血管新生療法の評価方法として微小血管の画像化を目的として、放射光を用いた微小血管造影検査方法を構築した。我々が構築した放射光血管造影の視野は26.6mm×26.6mmであり、解像度は26μm/pixelであった。従来のX線を用いた血管造影の解像度は200μmであり、血管新生療法の評価は困難であったが、放射光血管造影により微小な血管の描出が可能となった。マウスは全身麻酔下に右総腸骨動脈よりカニュレーションを行い、インジェクターを使用して下肢虚血部位の血管造影を行った。下肢非結紮モデルをコントロールとし下肢虚血肢モデルの結紮4週間後と比較した。コントロールによりマウスの生体内において微小な血管を明瞭に描出することができた。測定可能な最小血管径は約50μmであった。虚血肢モデルの造影では大腿動脈本幹は描出されず、側副血行路を介して結紮遠位側が描出された。また、虚血肢全体の血管形成を一視野で観察することが可能であった。 下肢虚血モデルの確立と微小な血管を生体内で画像化するための手段として放射光血管造影法を確立することができた。生体内での血流評価方法として用いられているレーザードップラーや組織検査を行う血管新生の従来の評価方法に追加し、今回確立した生体内で微小血管を描出可能な放射光血管造影検査を用いて、今後の血管新生実験を進めて行く。
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