研究課題
基盤研究(C)
慢性的なドナー不足を解決するため、免疫学的なバリアのため実施困難であったABO血液型不適合移植の克服に焦点を絞り、包括的な治療法の開発を試みた。本研究の成果は以下の通りである。(1) 抗体関連型拒絶反応を抑制する新しい試みとしてグラフトの血管内皮細胞膜上に発現する血液型A/B抗原をEndo-β-galactosisase(ABase)を用い脱抗原化することに成功した。In vitro testにおいてはヒトA/B型赤血球を90%以上、In vivo administration testにおいてはA型ヒヒの肝臓、腎臓を97%と87%、ex vivo perfusion testにおいてはB型ヒヒ腎臓を摘出後冷保存中に90%抗原を除去することができた。臨床応用の可能性が示唆されたが、Preclinical studyの必要性から、ABO血液型発現クローンブタ(ABO血液型不適合移植モデルブタ)の作出の意義が明らかになった。(2) ブタ内皮細胞にヒトDAF(Decay accelerating factor:補体制御因子)およびヒトThrombomodulinを遺伝子導入し、Activated Protein C産生能、ヒト血漿でのclotting time、内皮細胞活性化指標としてTissue Factor,PAI-1 mRNAを測定した。拒絶反応を抑制しaccommodationを誘導するには、補体活性化抑制および凝固系制御が必須であることが明らかになった。(3) ABO血液型不適合移植では抗体産生抑制のため、通常よりも強力な免疫抑制療法を施行する。患者の免疫抑制状態を正確に反映するモニタリング方法として、血液を全血のまま刺激培養し、real time RT-PCR法を用い、サイトカイン(IL-2,TNF-α,IFN-γ)、細胞周期関連タンパク(cyclin-D, PCNA)、ヒストンのmRNAにおけるstimulation indexの簡便な測定法を開発した。これによって臨床検体を用いて、これらのマーカーを用いた免疫機能モニタリングの意義を検討することが可能となった。
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