研究課題/領域番号 |
18591420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
鶴間 哲弘 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80381268)
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研究分担者 |
桂巻 正 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50253993)
古畑 智久 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80359992)
山口 浩司 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60315512)
大村 東生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30295349)
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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キーワード | 癌 / 免疫療法 / ペプチド / ペプチドワクチン療法 / サバイビン2B / IFN-a / Tetramer staining / ELISPOT assay |
研究概要 |
ペプチドワクチン療法の臨床応用化確立のために、より高い抗腫瘍効果誘導をめざし、全消化器癌を対象にIFN-a併用のサバイビン2Bペプチドによるペプチドワクチン療法・第一相臨床試験を施行した。プロトコールは、サバイビン2Bペプチド1.0mgとIFA1.0mlの混合液を2週間間隔で4回皮下注射。IFN-aは300万IUを週2回皮下注射した。毒性評価はNCI-CTCに準じて評価し、臨床的効果は治療開始前と4クール終了後の比較診断にて、免疫学的効果はDTH, ELISPOT assay, Tetramer stainingにて評価した。 本年度は、大腸癌5例、胃癌1例、膵臓癌2例を登録し第1相臨床試験を開始した。併用したIFN-aはいずれもlow doseであった。これらの症例のうち、大腸癌1例、胃癌1例では病状の悪化に伴いプロトコール途中にて臨床試験を中断した。プロトコールを完遂しえた6症例のうち、大腸癌では3例でSD、1例でPD、膵臓癌では2症例ともSDの評価であった。免疫学的モニタリングにおいては、大腸癌では全例でTetramer陽性CTLの頻度が上昇し、そのうち1例ではELISPOT assayにおいてもスポット数の増加を認めた。膵臓癌においては現在1例のみモニタリング結果が解析されており、Tetramer stainingおよびELISPOT assayいずれにおいても陽性反応を確認した。この症例においては、術後上昇し始めたCA19-9がワクチン投与により低下し正常値となった。またCTにおいてもCA19-9の増加と一致して増大した腸間膜リンパ節が、腫瘍マーカーの低下とともにそれ以降消失している。しかしながら、このリンパ節は径が1cm未満でありRECIST評価においては評価対象病変とならずSDといわざるえない。以上の結果より、IFN-a併用により高頻度にペプチド特異的CTLの誘導が可能であるが、それが必ずしも満足すべき臨床効果と一致しないという問題点が明らかとなり、今後の課題となった。
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