研究課題
基盤研究(C)
門脈圧測定結果:80%肝切除のみ行ったA群(n=5)、全小腸の25%(空腸の50%)を切除後に80%肝切除を行ったB群(n=5)、全小腸の50%(空腸の100%)を切除後に80%肝切除を施行したC群(n=5)、で処置前後の門脈圧を比較検討した。処置前の門脈圧は6.61±0.75mmHg(n=15)で、A群は処置後の門脈圧は10.24±2.12mmHg(n=5)、B群は処置後に6.21±0.8mmHg(n=5)、C群では門脈圧は処置後に4.54±2.57mmHg(n=5)となった。残肝の組織学的検索:各群について術当日、2日、3日、1週間後に犠死させて残肝を摘出、ホルマリン固定、パラフィン包埋し、HE染色と免疫染色(アポトーシスはTUNEL染色)で組織学的検討を行った。80%肝切のみでは、うっ血が3日間に見られ、アポトーシスも2日、3日目に見られたが、どちらも1週間で改善しており、肝細胞機能の障害は3日以内に最も大きいと思われた。考察:今までの実験結果から、80%肝切によって上昇する門脈圧は、小腸の25%切除を加えることで小腸50%切除の場合と同様に抑えられたが、小腸の25%切除では門脈圧が正常であったのに対して小腸50%切除の場合は正常より低値となった。組織学的検索結果でも、80%肝切のみのA群では3日以内にうっ血とアポトーシスが見られたが、小腸切除を加えたB群とC群ではどちらも見られなかった。結語:小腸の25%切除は生体部分肝移植における過小グラフト症候群に対する解決法の一つに成りうると考えられる。
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Journal of Surgical Research 130(1)
ページ: 24-33
Journal of Surgical Research 130