研究課題/領域番号 |
18591435
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (90402635)
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研究分担者 |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80252245)
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
小林 猛 中部大学, 応用生物学部, 教授 (10043324)
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キーワード | HER2 / 乳癌 / 温熱治療 / ヒートショック蛋白 |
研究概要 |
【培養細胞実験】ヒト乳癌培養細胞における温熱効果と熱ショックタンパク(HSP)阻害剤である17-AAGの相互作用を検討した。 1. 17-AAGの添加により細胞増殖を促進する蛋白であるHER2の発現が抑制され、このタンパクによりリン酸化され活性化されるAktのリン酸化が抑制されることが示され、これが17-AAGが温熱効果を増感させるメカニズムの一つであることが示唆された。 2. 17-AAGの添加により、標的であるHsp90の発現は影響は受けなかったが、機能が抑制されたと考えられた。 【動物実験】ヒト乳癌細胞移植ヌードマウスモデルにおける温熱効果を検討した。 1. ヒト乳癌培養細胞のヌードマウスへの移植、腫瘍形成:Her2強発現株であるBT-474、Her2弱発現株であるSKOV3をヌードマウス(nu/nu Balb/c)へ移植し皮下腫瘍を形成させた。 2. 上記の皮下腫瘍にHER2を認識する抗体を表面に結合させたマグネタイトを内包するリポソーム(HML)を局所投与し、交番磁場を印加することにより、有効な腫瘍温上昇効果を認めた。 3. HMLを局所投与され、交番磁場により加温された腫瘍は経時的に縮小し、その縮小効果は加温後10週以上にわたり維持された。 動物実験の結果は国際専門誌(査読あり)であるBreast Cancer Research and Treatmentに掲載された。培養細胞実験結果は平成20年度の日本外科学会総会、日本乳癌学会総会にて口頭発表した。
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