研究概要 |
目的 Circulating Tumor Cell (CTC)数の予後予測因子および治療効果の予測因子としての有用性が示唆された(New England Journal of Medicine, 351 (8)p781-791, 2004).米国ではCell Searchシステムは"転移性乳癌患者のPFS及びOS予測"を適用としてFDA (Food and Drug Administration)の認可が得られ、既に臨床診断に使用されており,本研究でもCTCとcancer stem cellの関連を検討する. 研究の方法 (1)CTCの測定;EpCAM抗体を用いたCell Searchシステム(VERIDEX), Miltenyi Biotec, Carcinoma Cellエンリッチメント・検出キットを用い末梢血10ml中のCTC数を測定した. (2)Stem cell markerを用いたCTCの免疫染色を行った. 研究成果 (1)Cell Searchシステムを用いCTC数を再発進行癌の5症例でカウントしたが,4例でCTC数は0-1個,1例で5個と低値であった.この5症例は再発後セカンドライン以降の化療が行われる前に検査をおこなっており,予測したCTC数との解離が大きくこのシステムの使用を中止した. (2)抗cytokeratin抗体を用いたCarcinoma Cellエンリッチメント・検出キット 再発進行癌の6症例でこのシステムを用い末梢血液10ml中のCTC数を測定した.CTC数は0,7,10,12,14,23個であった. CTCでサイトケラチン抗体とp63抗体抗を用いた二重染色を行いCTCにp63の発現している癌細胞を認めた.
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