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2006 年度 実績報告書

Cancer stem cellを標的とした次世代乳癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591439
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

久保 真  九州大学, 大学病院, 助手 (60403961)

研究分担者 小島 雅之  九州大学, 大学病院, 助手 (90380394)
黒木 祥司  九州大学, 大学病院, 講師 (30215090)
赤司 浩一  九州大学, 大学病院, 教授 (80380385)
キーワードcancer stem cell / 乳癌 / 薬剤耐性 / 形態形成シグナル / side population
研究概要

本研究の最終目標は、抗がん剤治療に抵抗性を示すcancer stem cell(CSC)に対する治療法の確立である。本年度は、乳癌細胞株におけるCSCの同定法と薬剤耐性をもたらす薬剤排出機構について検討した。研究計画に沿って、研究成果を説明する。
(目的)1.CSCの同定法を確立する。薬剤排出機構を中心にした機能による同定と膜蛋白を中心とした表面マーカーによる同定を行う。2.薬剤排出機構についての検証を行う。
(材料と方法)1.乳癌細胞株3種(MCF-7,MDA-MB-231,BT-474)を用いて、Hoechst33342色素にて核染色し、低または非染色分画(Side population=SP)をCSCとした。蛍光顕微鏡による観察、Flow cytometryによる細胞数の測定を行った。さらに、同分画をcell sorterにて分離した。分離したCSCを免疫染色、real-time PCR、Westernblottingを用いて解析し、形態形成シグナルの発現を検索した。2.乳癌の代表的抗がん剤Paclitaxel存在下において、Hoechst33342低または非染色であるCSC数の変化を蛍光顕微鏡にて観察する。また、形態形成シグナルHedgehog経路選択的阻害剤cyclopamineの影響を検証する。
(結果)1.乳癌CSC(SP)を同定することができた。上記乳癌細胞株のCSC(SP)は1.0-4.1%であった。Real-time PCRの結果、CSC分画では非CSC分画に比して、形態形成シグナル(Sonic hedgehog, Patched, Gli)が高発現していることを確認できた。また、CSCを維持・培養できるgrowth mediumの作成・管理に成功し、培養開始50日後の観察が可能となった。2.Paclitaxel存在下において、CSC分画の比率は増大した。すなわち、非CSC分画はPaclitaxelに対し感受性があり増殖を抑制されたが、CSC分画はPacmaxelに対し抵抗性であることを確認できた。また、cyclopamineはCSC分画の増殖を著明に抑制した。
(結語)乳癌細胞には、抗がん剤治療抵抗性の主要因と考えられる薬剤排出機構をもつCSCが存在する可能性が示された。また、形態形成シグナルはCSCの維持に重要な役割を果たしていると考えられ、表面マーカーとしても有力な候補となる可能性がある。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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