研究課題/領域番号 |
18591442
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
本田 志延 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (80423664)
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研究分担者 |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20240905)
高森 啓史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (90363514)
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キーワード | m-calpain / 分裂期 / 多倍体 / autophagy / 細胞死 |
研究概要 |
申請者らは、前年度までにm-calpainの阻害により細胞死が誘導される機序として、細胞の多倍体化からの細胞死誘導との関連を検定する必要があると考え、単純な多倍体化誘導のためにEg5阻害剤モナストロールで細胞を処理する実験を行なった。単純に濃度を振って様々な細胞をモナストロールで処理し、経時的に形態や染色体コピー数の観察などを行なった。 その結果、有効濃度のモナストロールで細胞を処理した場合、96時間後には不死化ヒト正常線維芽細胞細胞であるhTERT MRC5は分裂期停止・細胞死とも少なく、不死化ヒト胎児腎細胞HEK293では分裂期停止がやや多いが細胞死は少なかった。さらに大腸癌細胞株であるHCT116では、p53正常株ではほとんどが細胞死に至り、対照的にp53欠損株では細胞死が少なく細胞のサイズが拡大していた。フローサイトメトリーでは、HEK293、HCT116p53koでは他の細胞では認めなかった8N、16Nといった多倍体化した細胞集団が認められた。この結果から、モナストロールによる多倍体化と細胞死の関連にはすでに報告されているようにp53が関与するチェックポイントが存在することが確認された。しかし、細胞がオクタプロイド、ヘキサデカプロイドと進むにつれ、p53の存在しない細胞においても多くの細胞死が誘導された。このことは、多倍体化が進むと、テトラプロイドまでとは異なり、p53非依存性のチェックポイントないしは細胞死の機序が存在することを示唆する。このような過剰に多倍体化した細胞群は、透過光観察において細胞質に空胞状の構造を多数認め、文献的考察からautophagyが細胞死に関与している可能性が考えられた。これらの構造がautophagosomeであることが証明され、生化学的にautophagyの誘導が証明できれば、過剰に多倍体化した細胞における細胞死がautophagic cell deathであるといえる。このことに関しては、現在のところ証明できていない。
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