1.ハムスター膵癌細胞にルシフェラーゼを導入した細胞(PGHAM-1-Luc)のin vitro特性の検討 PGHAM-1細胞にルシフェラーゼ遺伝子を導入したPGHAM-1-Luc細胞は長期継代により生物学的特性が変化し、クローニングにより5つのサブクローンがえられた。この5つの細胞をIVIS Imaging Systemを用いて、生体反応を観察したところ、PGHAM-1-Luc-1が一番強い蛍光を発した。PGHAM-1-Luc-1の増殖能は、倍加時間で18.2時間とPGHAM-1細胞の14.4時間に比しやや低下した。 2.PGHAM-1-Luc-1のin vivo移植実験 膵内移植実験:同細胞を5x10^6個をハムスター膵脾葉に移植し発生する膵腫瘍および肝転移を経時的に観察した。移植後14日の観察ではルシフェリン腹腔内投与による蛍光が100%確認された。移植後21日の剖検直前のイメージングでは、14日に比べて減弱しているものが見られた。イメージングと剖検時の大きさはほぼ同一であった。 脾内移植実験:同細胞を1x10^6個をハムスター脾臓内に移植しイメージングを行なった。全例に脾臓部位に蛍光が認められ、経時的にその存在が確認された。しかし、21日目の屠殺剖検時には脾臓から肝臓への直接浸潤は認められるも、PGHAM-1のような多発性肝転移は認められなかった。 腹膜移植:同細胞を5x10^6個をハムスター腹腔内に移植し、経時的にイメージングを行なったところ、蛍光は7日目には微弱に認められるも、21日にはほとんど消失しており、剖検時にも腹壁の一部に結節を認めるのみであった。全体として、PGHAM-1細胞に比し、転移能が劣る可能性が示唆された。
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