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2007 年度 実績報告書

オーダーメイド乳癌化学療法を目指した乳癌幹細胞の分離とその生物学的特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18591447
研究機関近畿大学

研究代表者

綿谷 正弘  近畿大学, 医学部, 准教授 (00220856)

研究分担者 乾 浩己  近畿大学, 医学部, 講師 (40278677)
橋本 幸彦  近畿大学, 医学部, 講師 (50319703)
キーワード乳癌 / 乳癌幹細胞 / 化学療法 / 薬剤感受性 / 生物学的特性
研究概要

本研究は乳癌幹細胞とみかけ上の乳癌細胞との薬剤感受性の差を明らかにし、オーダーメイドの乳癌化学療法を確立することを目的としている。FU系抗癌剤のターゲットとして考えられているピリミジン生合成経路の律速酵素であるThymidylate Synthase (TS)に注目し、TSに対する乳癌非幹細胞の生物学特性を解析し、TSを指標としたオーダーメイド乳癌化学療法の可能性を検討した。リンパ節転移陽性乳癌37例を対象に、マッチさせた正常組織、原発巣、転移巣のそれぞれにおける3'-非翻訳領域のTS遺伝子多型を解析したところ、正常組織で3'-非翻訳領域の6塩基のdel/del、ins/del、ins/insの遺伝子多型は37例中それぞれ、2例、13例、22例であった。正常組織でins/insの遺伝子多型を示した22例のうち、3例は原発巣ならびに転移リンパ節巣でもins/ins多型であった。3'-非翻訳領域のdel/del遺伝子多型は、正常組織と比べて原発巣および転移リンパ節巣でそれぞれ13例、15例と増加した。ELISA法で解析した原発巣におけるTS蛋白発現は、3'-非翻訳領域の遺伝子多型の中でins/ins多型であった3例では87.8ng/mg proteinで、del/del多型の24ng/mg protein、ins/del多型の17.5ng/mg proteinと比べて有意に高値であった。また転移リンパ節巣においても原発巣と同様に、ins/ins多型症例のTS蛋白発現は他の遺伝子多型と比べ有意に高かった。以上より、TS遺伝子の3'-非翻訳領域の遺伝子多型を解析することはFU系抗癌剤の薬剤感受性予測につながり、TS遺伝子の3'-非翻訳領域の遺伝子多型に基づくオーダーメイド乳癌化学療法となりうる可能性が示唆される。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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