研究課題/領域番号 |
18591460
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高橋 孝夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90332684)
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研究分担者 |
徳山 泰治 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00422717)
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キーワード | DNA promoter hypermethylation / colorectal cancer / 3OST2 / early detection |
研究概要 |
この研究における目的は消化器癌、特に大腸癌において癌関連遺伝子の異常メチル化プロファイルを作成し、癌の診断に用いることが可能なマーカーを探索することである。我々の研究では日本人において3-OST-2遺伝子が最も大腸癌で異常メチル化の頻度が高いことを証明した(3-OST2遺伝子における129大腸癌組織、129正常大腸粘膜組織での異常メチル化は52.7%、17.0%)。大腸癌細胞株にて3-OST-2遺伝子の発現低下と異常メチル化とが相関することも検証した。大腸癌は肝転移をきたすことが多い。そこで肝転移巣での3-OST-2異常メチル化を調べた。原発巣と肝転移巣を両方切除した14例を用いて検討したところ、5症例は原発巣および肝転移巣も異常メチル化を認めた。一方6例は原発巣および肝転移巣とも異常メチル化を認めなかった。2例は原発巣に異常メチル化を認めたが、肝転移巣では異常メチル化を認めず、1例は原発巣に異常メチル化を認めなかったが、肝転移巣では異常メチル化を認めた。ほとんどの症例は原発巣と肝転移巣はパラレルに動くが少数ではあるが原発巣と転移巣の異常メチル化ステータスが異なる場合がある。次に異常メチル化を用いた大腸癌の早期診断への応用について検討した。大腸癌切除標本を生食100mlで洗浄し、その液からDNAを抽出し、3-OST-2のMSPを行った。21例で施行し、8例(38%)に異常メチル化を同定した。原発巣で異常メチル化を認めた9例中6例(67%)に腸管洗浄液から異常メチル化を同定可能であった。今後便を用いて検出可能かどうか検討を行う。またドレナージベインから血液を採取し同様にMSPを行ったところ21例中1例のみであった。腫瘍の大きさ、ステージ、深達度などの臨床病例学的因子との相関は認めなかった。
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