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2006 年度 実績報告書

へパラナーゼの機能解析-分化誘導機能と血管新生作用の解析と制御による癌治療開発-

研究課題

研究課題/領域番号 18591464
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

猶本 良夫  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00237190)

研究分担者 松岡 順治  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30332795)
田中 紀章  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10127566)
キーワードヘパラナーゼ / 分化 / 浸潤 / 転移 / 乳癌 / 胃癌
研究概要

研究の進捗は順調で、ごの期間にわれわれの樹立した食道扁平上皮細胞を用いて、ヘパラナーゼの核内移行が核内のマトリックスを分解し、さらにそれが細胞の分化を誘導することを明らかにし、論文として発表した。このことはこれまで明らかでなかった細胞分化の機序を解析したことで今後の同分野における研究に大きく責献する特筆すべき成果である。
ヘパラナーゼはこれまでは癌の浸潤・転移に関わり、癌の悪性度を規定するものと考えられてきた。この機構についても、われわれは下記のことを明らかにした。すなわち、ヘパラナーゼがCOX-2を誘導し、さらに下流のVEGFなどの誘導を介して血管新生を誘導して癌の進展に寄与することを食道癌、胃癌、大腸癌、乳癌組織において見出した。このことはヘパラナーゼの悪性度を規定する機構として、新たな血管新生シグナルを通じて癌の進展に寄与することが明らかにされたことになる。
さらに、驚くことにヘパラナーゼが核内に移行することで、上皮細胞の分化が惹起されることがin vitrにおいて明らかにされた。また、癌組織内のヘパラナーゼの核内移行の見られる部分において、分化度が高い傾向が見られin vitroでの研究結果と実際の癌組織の分化傾向が一致していたことになる。このことは、主に食道の正常上皮と食道癌組織を用いて研究された。
本研究期間における成果は、ヘパラナーゼによる血管新生の研究においても、乳がんならびに胃印鑑細胞がんの進展にCOX-2を介した血管新生機構が明らかとなったこと、そして、ヘパラナーゼの核内移行が、細胞の分化を司っていることであり、これらにより今後の研究成果が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Translocation of heparanase into nucleus results in cell differentiation.2007

    • 著者名/発表者名
      Nobuhisa T, Naomoto Y, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Science 98・4

      ページ: 535-540

  • [雑誌論文] COX-2 induction by heparanase in the progression of breast cancer.2006

    • 著者名/発表者名
      Imada T, Naomoto Y, et al.
    • 雑誌名

      INTERNATIONAL JOURNAL OF MOLECULAR MEDICINE 17・2

      ページ: 221-228

  • [雑誌論文] Heparanase promotes angiogenesis through Cox-2 and HIF1 alpha.2006

    • 著者名/発表者名
      Nomoto Y, et al.
    • 雑誌名

      Medical Hypothesis 68・1

      ページ: 162-165

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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