研究成果 (1)サイクロフォスファマイドの投与によるCTL反応促進効果の検討 マウスに対するペプチドワクチンの効果を増強するために、サイクロフォスファマイドを前処置として用いる免疫プロトコールを作成して実際のワクチン効果を確認した。サイクロフォスファマイドの容量依存性にペプチドワクチン効果の増強が確認された。 (2)抑制性T細胞を認識するモノクローナル抗体の投与によるさらなるワクチン効果増強の確認 サイクロフォスファマイド前処置に抗CD40抗体を併用することによりペプチド特異的CTL反応の増強効果が確認された 以上の2点を踏まえて、実際の抗腫瘍効果をマウス皮下接種腫瘍モデルのワクチン療法でさらに検討した。C57BL/6マウスにB16メラノーマ細胞株を接種し、腫瘍特異抗原由来ペプチドを用いて免疫を行いその抗腫瘍効果を検討した。B16-OVAの腫瘍抗原トランスフェクタントを用いた系ではOVA由来のSIINFEKLペプチドを用いて、野性株であるB16モデルではTRP2ペプチドを用いて行った。 サイクロフォスファマイド前処置群、サイクロフォスファマイド+抗CD40抗体併用群の順に抗腫瘍効果が増強された。 結論;骨髄抑制前処置に抗CD40抗体を併用すると腫瘍抗原ペプチドを用いた癌ワクチン療法の効果を増強させることができる。 意義・重要性;本研究の成果から、制御性T細胞の抑制を目的とした骨髄抑制前処置を免疫療法に組み合わせる方法で、従来の腫瘍免疫療法の効果をさらに増強させることができる可能性があるものと推測される
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