研究課題
基盤研究(C)
CpG-oligodeoxynucleotides(CpG-ODN)はToll like receptor-9(TLR-9)のligandであり、これをヒトに用いることでTLR-9を発現するPlasmacytoid DC(PDC)とB cellを特異的に活性化し、自然免疫応答を惹起すると共に獲得免疫への橋渡しとなることから、抗腫瘍ワクチン療法におけるアジュバント効果が期待できると考えた。そこで(1)ヒトin vitroでの癌抗原ペプチドを用いた特異的CTL誘導におけるCpGのアジュバント効果(2)CpG-typeによるアジュバント効果の違い、について検討した。まず、CpG-AとCpG-CをPBMCに添加すると、K562に対する非特異的細胞障害活性を誘導した。また、CpGのsupにより、MoDCにおけるCD80/86発現が上昇し、MoDCは成熟化した。次に、新規癌抗原ペプチドに特異的なCTL誘導において、CpGを添加するとCD8+ effector-memory T cellの割合が増加した。特に、CpG-A/Cの添加で、より高い細胞障害活性を示すCTLが誘導された。このCTLはCpG-A/Cのsupによりさらに特異的細胞障害活性が上昇した。さらに、PDCのdepletionによりアジュバント効果が消失することより、CpGのアジュバント効果はPDC dependentであることが示唆された。以上より、CpG-ODNはヒトin vitroにおける癌抗原ペプチドを用いたCTL誘導でアジュバント効果を認めるが、その効果はCpG-AやCpG-CがCpG-Bより強力であることが明らかとなった。よって、TLR-9を活性化するCpG-ODNを併用することは、ペプチドを用いた癌ワクチン療法でさらに強力な抗腫瘍効果を惹起し、新たな癌免疫療法の戦略となることが示唆された。
すべて 2006
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