研究課題/領域番号 |
18591485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
草野 満夫 昭和大学, 医学部, 教授 (70091569)
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研究分担者 |
田嶋 勇介 昭和大学, 医学部, 助手 (60384400)
三輪 光春 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所, 主任部員 (90393983)
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キーワード | 胃癌 / 大腸癌 / センチネルリンパ節 / インドシアニングリーン / 蛍光 / 近赤外線 |
研究概要 |
22人の胃癌患者と26人の大腸癌患者に対し、術中に約2mlのICG溶解液を腫瘍周囲漿膜下に注入し、sentinelnode(SN)mappingを行った。LEDによるICGの蛍光励起と観察装置が一体となった赤外線カメラシステムを用い、白色調を呈した類円形状・リンパ節様領域をSNと同定した。ICG注入直後より腫瘍からのリンパ管が明瞭に観察された。肉眼的に緑色を呈さないSNも容易に同定可能であった。SN同定率・平均SN個数は胃癌症例:90.9%・3.6個、大腸癌症例:88.5%・2.6個であった。正診率・偽陰性率は胃癌症例において70.0%・60.0%(T1症例:88.9%・33.3%)、大腸癌において82.6%・66.7%(T1症例:100%・0%)であった。これらから、胃癌・大腸癌の特に早期の症例に対するSN同定法としてLED励起ICG蛍光法の有用性が示唆された。(英文論文投稿中) 次に44人の胃癌患者に対し、本法を用いたSN mappingを行った。22人に対して術前内視鏡下に粘膜下層へ(A群)、22人に対して術中漿膜下へ(B群)のICG注入を行った。SN同定率はA群:100%・B群:90.9%、平均SN個数はA群:10.5個・B群3.6個(P<0.0001)であった。正診率はA群:100%・B群:70.0%(P=0.0074)であった。偽陰性率はA群:0%・B群:60.0%(P=0.044)であった。cT1症例およびcT2-3症例において、正診率は96.4%・64.3%(P=0.0074)、偽陰性率は16.7%・62.5%であった。これらから特にcT1胃癌症例における本法によるSNmappingの有用性が強く示唆された。またICGは術前内視鏡下に粘膜下層へ注入するのがよいと考えられた。(英文論文執筆中)
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