研究課題/領域番号 |
18591492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
上田 修吾 (財)田附興風会, 医学研究所・第2研究部, 研究員 (80372580)
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研究分担者 |
中村 肇 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70303914)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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キーワード | 抗癌剤 / 感受性マーカー / ストレス / ガレクチン-7 |
研究概要 |
平成18年4月以降、進行度3・4期胃癌患者において、化学療法開始前に内視鏡検査を施行し、病理組織学的検査を行い、さらにインフォームド・コンセントの得られた10例については、同時に癌部・非癌部の組織を採取、凍結保存した。TS-1/シスプラチン併用による抗癌化学療法を2コース施行した後に、胃切除術を施行。病理組織学的検討の他、切除標本組織を癌部・非癌部に分けて凍結保存した。後日凍結標本より、RNeasy kitを使用してtotal RNAを抽出した。今後、種々のストレス応答性遺伝子発現量を検討する予定である。 当院におけるこれまでの臨床試験結果により、術前にTS-1/シスプラチンによる抗癌化学療法施行した胃癌症例の約6割の患者においてdown-stageしたが、胃癌原発巣、リンパ節が主に縮小し、一部の症例においては腹膜播種も消失した。これら化学療法の効果は、胃癌組織型には影響されなかった。 一方、膀胱癌臨床標本よりRNAを抽出した。種々のストレスや癌抑制遺伝子p53により誘導されるgalectin-7に着目し、膀胱癌におけるgalectin-7 mRNA発現量をRT-PCRで検討した。Galectin-7発現量が高い患者ほど抗癌剤シスプラチンに感受性が高いことが明らかとなり、galectin-7発現量がシスプラチン感受性の指標になることが示唆された。さらに、シスプラチンによるアポトーシス経路にgalectin-7が関与すること、活性酸素種(ROS)産生とJNK活性化を増強することによりgalectin-7がアポトーシス感受性を増加することを示した。 (英文論文発表 Matsui Y.et al.Cancer Research.67(3):1212-1220,2007)
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